祀り姫は宿儺の器に成り代わる【呪術廻戦】

19章、生徒の頼み ページ21

宿儺もまた、すかさず攻撃を入れていく。
楽しげに、久方ぶりの戦いに胸を踊らせた。

攻撃が当たらない?……恐ろしく早い?
いや？……

｢まったく……いつの時代でも厄介なものだなあ呪術師は！だからどうという話でもないが……｣

｢だがお前らはこの娘の価値を知らなすぎる！！｣

｢その子の価値？｣

｢なぜ野放しにしていたのか！！心底理解できんな｣

｢それって……どういう事かな！｣

ニヤニヤと笑い宿儺は、そう手から流れる血を舐めた。
気になる話の最中だが、
10秒がすぎ、彼女は、宿儺に言った。

(宿儺くん……10秒)

ドクリと心臓がはね風が吹く
彼女は、伏黒の上着を再び羽織り
伏黒と五条を見て首を傾げた。

｢大丈夫です?｣

この世界で宿儺を制御できたものなどこの1000年生まれて来たことがない。
だから、尚更彼女は、彼等には貴重な存在であった。

ただ、彼等は考えた。
宿儺が言った彼女の価値だ。
呪いの王が認めているかのように
笑うほどの力がこの子にはあるのだろうか……
2人は考えながら彼女を見る。

五条は、戻ってきた彼女に笑いながら、

｢驚いた……本当に制御できるんだね｣

そう彼女の額に触れる。

｢なっに……｣

すると、彼女の力は抜け五条の方へ倒れ込んだ。

｢何したんですか？｣

｢気絶させたの……これでもし起きて宿儺に変わっていなかったら彼女は器の可能性がある……｣

｢さらに、この子は呪いの王様がニヤケちゃうほどの不思議な力を持ってるようだしね！｣

｢さて？ここでクエスチョン……彼女をどうするべきかな？｣

五条に伏黒は
彼女が宿儺から戻る瞬間にいっていた事を思い出した。

｢仮に器だと……しても呪術規定に乗っ取れば虎杖は、処刑対象です……｣


あいつは確かに呪霊に言っていたんだ。

死んだっていいの…怖くない

どんな生き方をすれば、
死んでもいいなんて言葉が出てくるのだろう
だが、伏黒は、彼女をどうしても見捨てたくなかった。見捨ててはいけない気がしたんだ
だから五条に言った。

｢でも、死なせたくありません！｣

｢私情?｣

｢はい！私情ですなんとかしてください！｣

だから、五条は、今目の前に座る可憐な少女を
その日のうちに上層部を納得させ、
秘匿死刑……しかも執行猶予を決めさせ
生かしたのだった。

｢可愛い生徒の頼みだ任せなさい！それに気になる点もあるからね……｣

20章、選ぶ先にあるのは天国か地獄か→←18章、五条悟という男

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す