15章、両面宿儺 ページ17
呪霊は、それは嬉しげに彼女に飛びかかった。
彼女の血はどんなものよりも甘くその肉はどんなものよりも美味いのだ。
助かるためには……物語を進めるためには
私はこの禍々しい指を飲み込まねばならない、
だが、彼女は…
これを本能的に飲んではならない気がしていた。
彼女の力は異質だ。
呪霊にどう作用してしまうか分からない。
「やめろ!死ぬ気か!!呪いは呪いでしか払えない!!」
彼女は、恐らく強い…自分の力を使えば恐く助けるは簡単だ。
使えない世界の理は侵してはいけない
わかってるのに、なんでこんなに苦しいんだ。
昔救えなかった友人の顔や
死んだ祖父の言葉がやけに頭の中でこだました。
人を助けろ!!
呪霊の攻撃を避けながらに思う。
すると、何かの力が彼女の身体にまとわりついた。
(ケヒヒっ……お前妙な気配だなあ?やはり)
(何故力を使わない?)
呪物の声を聞き、彼女は原因はこの呪物だとわかった。
私が呪霊から離れれば、次は確実に伏黒くんと先輩が死ぬだろう。今にも倒れそうな彼を戦わせる訳にはいかないんだ。
呪物の声に彼女は、こう応える。
「力なんか無いよ」
(嘘をつくなあ俺にはわかるぞ!お前の力は、凄まじいものだ!!!)
楽しげな呪物の声に彼女は無理やり動こうと手足を動かす
(無駄だ……しぬぞ)
「死んだっていい怖くないもの」
私はいいのどうせ死ぬんだからいい……
死に場所を選んで来ただけだから
(…オマエやはり面白いなあ!!何故呪術師共はお前に気づいていないのだろうなあ!!!
そうだ。小娘…このままではあいつが死ぬぞ?)
つくづく嫌な呪いだ……わかっててやってる
なら……
彼女は、手に持つ指をながめながら、
伏黒に静かにこうつぶやく。
「ごめんね伏黒くん」
「よせ!!」
彼は一瞬にして彼女が何をしようとしているかわかった。
彼女は両面宿儺の指を取り込む気なのだと、
「もし……私が呪いになったらさ伏黒くん……、ちゃんと殺してね?」
笑いながら、彼女はそれを誘導されるように飲み込んだ。
(ケヒヒっ……最高だ!!最高だぞ小娘!!)
特級呪物だ!猛毒だ!普通なら猛毒……
だが、万が一……万が一……あいつが、
そして、煙と共に彼女の姿は男へと変わった。
同時に2人を襲っていた呪霊が木端微塵に吹き飛ぶ
先程の優しい彼女の声とは違い禍々しい呪いの声で男は言った。
「やはり!!こいつは!!最高だ!!光は生で感じるに限る。」
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雨霧(プロフ) - ミツさん» わあ!ありがとうございます¨頑張ります♡楽しみにしててください (10月4日 6時) (レス) id: 927e33e5f6 (このIDを非表示/違反報告)
ミツ - きゃ〜(≧∇≦)宿儺様、積極的で素敵〜(≧∇≦)オリジナルはこうでないと(^_−)−☆ヒロインちゃん狙われてしまい、これからどうなるか、ドキドキ♡私としては真人とどう絡ませるのか、気になります(≧∇≦)更新、楽しみにしてまっす(^o^) (10月4日 0時) (レス) id: 0c597de051 (このIDを非表示/違反報告)
雨霧(プロフ) - さくらさん» わああ😭嬉しいお言葉感謝です頑張ります (9月29日 12時) (レス) id: 927e33e5f6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても大好きです、もっとたくさんを読みたいです!更新、いっぱい書いて頑張って下さい!楽しみに心待ちしています🌸(*´ω`*) (9月28日 18時) (レス) id: d8650f1f20 (このIDを非表示/違反報告)
雨霧(プロフ) - ミツさん» わあ!コメントありがとうございます!これからじゃんじゃん面白くしていきますので楽しみにしててください! (9月27日 10時) (レス) id: 927e33e5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨霧 | 作成日時:2023年9月21日 4時