11章、さよなら親愛なる人よ ページ13
悠里は、病院に入り受付を過ぎると、
すぐさま病室まで走り出した。
看護師達の止める声など気にもとめず
ただ、祖父の声を聞くためだけに。
禍々しい呪たちは
その姿を見ては嬉しげに楽しげに彼女に声をかけてゆく。
恐らく彼女がもうすぐ一人になるからだろう。
「来んなって言ったろう!
つーか病院走んな悠里看護婦の声ここまで響いてたぞ……クソ孫が……」
「おじいちゃんに花を渡しに来たんだよ……」
「悠里……なんかあったか?
部活はどうした?」
「部活17時前に終わるのだからよかったよ来れて」
「そうか…お前のその顔俺の死期が近いんだな…」
「っ…」
祖父は昔から唯一私の力を肯定してくれた人物だった。
「じゃあ……最後にお前の両親の事だが、」
「いいよ……話さないでっ私の家族はおじいちゃんだけだもん」
わかっていた。でも涙が止まらない。
すると、祖父は、彼女の名前を優しく呼んだ。
「こっちにこい悠里……」
そう言われ、彼女は、すぐ祖父の背中に手をまわした。初めてもらった人の温もりは紛れもない祖父だったから彼女は苦しかったのだ。
別れは幾度となく体験したが今だ慣れない
「悠里…お前は強い…そして、誰よりも優しい子だ。
不幸を呼ぶようなやつじゃない」
「大丈夫だ悠里……お前は、人を守れ
強く生きろ……
手の届く範囲でたくさんの人を救える」
祖父がどんどん冷たくなってしまうのを感じる
彼女もまた溢れんばかりの涙がこぼれた。
もう泣かないと…友を失った時に誓ったのに…私は…やっぱり何も変わらない
弱くて小さい少女のままだ。
「大丈夫だ…お前を救ってくれるやつがいつか現れる。だから生きろ……お前は、愛される為に生まれてきたんだ……大勢に囲まれて死ね……俺みたいになるなよっ」
「お前を守るって言って先ゆく俺を許してくれ悠里……」
「怒らないよっ……だって…おじいちゃんは、私の傍から離れないでいてくれたもんっ…大好きなおじいちゃんだもんっ」
「ありがとうっおじいちゃんっ大好き」
ベッドに力なく落ちる祖父の手……彼女はそっとナースコールを鳴らした。
ありがとう……私のこの世界最後の味方っ
大切な家族っありがとう
彼女は、悲しみを引きづりながら、死亡届を全て記入し、自分に会いに来たであろう少年の方を向いた。
「やあ……学校出会った転入生くんこんばんは、どうしたの?」
「転入生じゃない……虎杖悠里だな呪術高専の伏黒だ!悪いがあまり時間がない!」
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雨霧(プロフ) - ミツさん» わあ!ありがとうございます¨頑張ります♡楽しみにしててください (10月4日 6時) (レス) id: 927e33e5f6 (このIDを非表示/違反報告)
ミツ - きゃ〜(≧∇≦)宿儺様、積極的で素敵〜(≧∇≦)オリジナルはこうでないと(^_−)−☆ヒロインちゃん狙われてしまい、これからどうなるか、ドキドキ♡私としては真人とどう絡ませるのか、気になります(≧∇≦)更新、楽しみにしてまっす(^o^) (10月4日 0時) (レス) id: 0c597de051 (このIDを非表示/違反報告)
雨霧(プロフ) - さくらさん» わああ😭嬉しいお言葉感謝です頑張ります (9月29日 12時) (レス) id: 927e33e5f6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - とても大好きです、もっとたくさんを読みたいです!更新、いっぱい書いて頑張って下さい!楽しみに心待ちしています🌸(*´ω`*) (9月28日 18時) (レス) id: d8650f1f20 (このIDを非表示/違反報告)
雨霧(プロフ) - ミツさん» わあ!コメントありがとうございます!これからじゃんじゃん面白くしていきますので楽しみにしててください! (9月27日 10時) (レス) id: 927e33e5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨霧 | 作成日時:2023年9月21日 4時