天使な大家とナイスな住人2 ページ7
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「リン先生……昨日の事、本当にごめんなさい」
キッチンで皿洗いをしているリン先生の元に、オドオドとした様子で二ー二ーが現れた。
「ご馳走を作りたかっただけなのに、ウチの中をめちゃくちゃにして……出てけって言われても仕方ないですね……分かってます。許してくれませんか?」
「わざとじゃないだろ。それにキミを追い出す気はないよ。私は心の広い大家だからね」
リン先生がそう言うと、二ー二ーは「あぁよかった」と安心した様子を見せた。
いや、やっと空き部屋が空いたのに出ていかれたら赤字だ……とか思ってるよなアレ。
「何だ?」
二階からアイラが降りてくると、二ー二ーとリン先生のやり取りを不思議そうに見ていた。
「リン先生、昨日はどうやってあの炎を消したの?」
「あぁ……天使の輪を使い、不潔な物を全て浄化した。だが、使いすぎると頭が痛くなる」
そう言うと、リン先生は手本として洗い物として大量に置かれた皿に浄化能力を使い、汚れを全て取りきった。
「本当すごいねー!」
二ー二ーの純粋な褒め言葉に気を良くしたのか、リン先生はさらに浄化能力を使おうとする。
「おい……アレ、オレ達もマズくないか?」
「リン先生、もう何も見えてねぇなアレ」
キッチンで使用していたはずの浄化能力は次第に、リビング全体に広がっていく。
リン先生は浄化能力で綺麗になった部屋を見て「ピカピカだ……」と言うが、山羊の鳴き声が聞こえるとハッとした。
「何やってんだよリン先生。オレらまで浄化されたんすけど」
「あっ、申し訳ない……キミ達にも効き目が………」
オレは、リン先生に若干キレながらそう言った。
不潔な物は浄化される_____即ち、オレ達もそれに当てはまってしまうのだ。
二ー二ーは白い山羊、アイラはコウモリ、オレは白い羊へと本来の姿へと変わってしまった。
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作者名:阿野 | 作成日時:2022年11月26日 19時