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意識が戻った時には、オレは暗い中に一人居た。
「何だここ」
次第に目が慣れてくると、オレが眠っている間に起きているであろう、外の出来事の様子が映される。
「ニックのやろー、何してんだ?」
先程の杖で、二ー二ーの体から紫色のオーラが現れると、ニックの中に吸い込まれていったが、少ししてから声が聞こえてきた。
「………何だ。色んな奴の声が聞こえてくる。ニックの奴、それで苦しんでんのか?」
老若男女の声が聞こえ、オレと同じ声が聞こえているのか、ニックが苦しみながら、黙れと言っている。
しばらくするとニックは倒れ、紫色のオーラが二ー二ーの元へ戻ると______今度は、二ー二ーが意識を取り戻した。
「アイツ、二ー二ーじゃねー」
その時、体が宙に浮き出し、電撃が走る様な感覚に襲われた。
「ぐっ……!何だ……オレ、二ー二ーじゃねーアイツに操られそうになってんのか?あの杖に触ったからいけねーの?」
力を抜いたら自分ではなくなってしまうと思ったオレは、力を緩めることなく、二ー二ーの姿をした魔王を睨みつける。
「ざけんじゃねーぞ……そういやオレ、前に二ー二ーに殺されそうになった夢、見たんだっけ」
いつか見た夢が脳裏によぎる。
二ー二ーの姿をした何かにニックが襲われて、オレもソイツに襲われそうになった夢を見た。
「殺されそうになったのに、二ー二ーに勝てると思ってた」
あの時の事を思い出すと、体の内から力が溢れ出そうになた。魔王に洗脳されそうだからとかでなく、魔王に対抗するための力が______オレに通っていないはずの天使の血があった。
だけど、ただでさえ少ない天使の血も今使えば、無くなるだろう。
「んじゃ、天使の血を全部無くす位に力を使い尽くして、おもしれー事やるか」
※
現実世界では、魔王が巨大な黒い玉を作り出し、悪魔連合会と万聖街『1031』の住人に向けて放った時だった。
砂煙が吹き荒れ、辺りの様子がしばらく見えなかった。
「やはりただの天使ではないな……」
「二ー二ーを……返してちょうだい!」
剣を構え、真剣な眼差しを向けるリリィの姿があった。
魔王はその姿を見てから、万聖街『1031』の他の住人を守ったもう一人の人物に目を向け、口元を緩めた。
「……お前も力が目覚めたか、A」
「あ〜〜……なんか変な感じする」
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作者名:阿野 | 作成日時:2022年11月26日 19時