恋愛禁止の夏3 ページ32
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その後もオレ達は、二人の尾行を続ける。
出店が出ていた様で、二ー二ーとリリィは仲良く射的を行っている。二人に見つからないよう、茂みの中に隠れる。
「このメモ帳に記録しろ」
リン先生はメモ帳を取り出すと、ニックに渡す。
「メモ帳大好きだな。A食べるか？」
「いくら羊でも紙は食わねぇよ」
ニックが紙切れを破り、オレに食べる様に渡してきたが丁重に断った。
「ごめんねリリィ。僕、射的が下手で……」
二人は射的を楽しんでいたが、二ー二ーはまだ一発も的の中心に当てる事が出来ていない。そんな二ー二ーに対し、リリィは嫌な顔一つしないでいた。
「全くアイツはトロイなぁ。いっそオレが代わりに……」
「おめーは空気読めや！」
リン先生はチョップをかまし、オレはニックのシャツを噛んで行かせない様にした。
「大丈夫、教えてあげる。すぐ出来るようになるよ」
リリィはそう言うと、二ー二ーの後ろに行き、二ー二ーの手を持ち、射的のレクチャーを始める。
「チャンスだ、二ー二ー！」
「ひゅ〜〜」
リン先生が固まっている中、オレとニックは陰ながら冷やかしをする。
「あ、あの……リリィ……僕、他にも出来ない事があって……それも教えてくれる？」
「もちろん！」
二ー二ーが明るい表情を浮かべて後ろを向くが_______リリィではなく、リン先生の姿があった。
「なんでも教えてやろう」
リン先生の表情から察して、二ー二ーは怯えたような表情へと変わる。
「まずは射的からだな。目標に狙いを……」
「おい落ち着け！銃を下ろせって！」
「やべぇー！警察来る！普段、真面目な人が暴走するとこうなる例の奴だ！」
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作者名：阿野 | 作成日時：2022年11月26日 19時
