恋愛禁止の夏 ページ30
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今朝からリビングで『羅小黒戦記』を観ているオレの隣で、二ー二ーは『愛とはなにか』という本を読んでいる。
日に日に増して、二ー二ーの中でのリリィへの好意が増幅している。
そんな事を思っていると、リン先生とリリィがリビングにやって来た。
「ニーニー、A、おっはよー」
「おう、リリィおはよ。リン先生おはよ」
オレは二人に挨拶をするも、隣に居る二ー二ーは突然現れたリリィに悶々としている様子だった。
「二ー二ーどうしたの?」
「リリィ……悪魔と天使の子供は悪魔と天使の学校どっちに………!?」
二ー二ーが勢い任せにリリィにそう言うも、リン先生の逆鱗に触れたようで浄化され、小型の山羊の姿になってしまった
「ん?」
「気にすんな」
オレは山羊になった二ー二ーの耳を持ちながら、リリィにそう言った。
※
ある日、アイスクリームを片手に持ち、鼻歌を歌いながら歩くリリィの姿が前方にある。
「おい二ー二ー。いま警察きたら、絶対俺らお縄につかれるじゃんこれ………聞いてねーな、これ」
電柱からリリィの様子を見つめる二ー二ーに言うが、聞く耳を持っていないようで返事が帰ってこない。
その後も尾行を続けていくと、リリィは海鳥公園に入ろうとしていた。
「よし今だ!」
「おう行ってこい。オレをお縄につかせんじゃねー」
自分の中でタイミングが掴めたのか、二ー二ーは偶然を装いリリィの元へ向かっていく。
「あはははっ、リリィ。奇遇だね」
「二ー二ー!ホント奇遇ね」
なんとか偶然を装い、二ー二ーはリリィと合流し、海鳥公園に入っていく。
何となく二ー二ーが心配なので引き続き、尾行を続けようとしたが_____背後から何者かの圧を感じた。
「キミ達はグルなのか……?」
そこには、冷めたような目でオレを見るリン先生とそんなリン先生を呆れた顔をして見ているニックが居た。
「えっ、Wデート?」
冗談を言うも、リン先生が天使の輪でオレを浄化して羊の姿にしてきた為、冗談が通じない事が分かった。
「リリィが心配なんだ」
「何を馬鹿な……」
「すいません冗談です。戻してください」
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作者名:阿野 | 作成日時:2022年11月26日 19時