初めまして、僕は二ー二ー ページ3
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この世では、人と人ならざる者が平和に暮らしていた。
しかしその裏で、世界を滅ぼす魔王がひっそり誕生していた。
このままでは血が川となり、屍がこの世に________
「本気で地球を滅ぼす気か？」
「まだそんな力はない」
「覚醒する前に倒さねば」
「今どこだ？」
「24時間体制で監視させてるから心配いらない。魔王が地獄に居る限り、奴の行動は把握出来る」
「大変です！魔王が飛行機に乗って地獄に出ました！」
「我らの手の内にある。心配ない」
「おいこら！地獄を出たって言ってたぞ！早く飛行機を止めろぉ！」
※
「ここが今日から二ー二ーの家」
地獄から遥々、人間界にやってきた友達_____ニールの迎えに行ってきた。
人間界(中国)の文化に憧れを持っていたが、両親に反対されていた為、こっそり飛行機で来たという。
万聖街『1031』____部屋の前に着くと、オレはインターホンを押した。
「おーい、誰か居ますかー」
インターホンを押したから速攻、扉を数回ノックする。すると扉が開き、訝しげな顔をした_____吸血鬼のアイラが出迎えた。
オレの顔を見てから、隣に立っている二ー二ーの姿を見ると、表情が柔らかくなる。
「遂に来たんだな」
「アイラ！」
二ー二ーとアイラは、その場でハグを交わす。
「迎えに行けなくてごめんな。昼間は、ちょっと出かけにくくて……」
「大丈夫だよ。たった三時間で着いたもん」
アイラは「は？」と反応を示したが、特に気にする様子は見られなかった。アイラは吸血鬼の為、太陽が出てる昼間はあまり出かけたがらない。
「さぁ入って」
「楽しみだなぁ」
「みんな優しいよ」
アイラ、二ー二ーが入り、最後にオレが入ってから扉を閉める。
「初めまして、ニール・ボーマンです。どうぞよろしく」
リビングに着くと、礼儀正しく二ー二ーが挨拶をした。
そこには_____大家で天使のリン先生、ミイラ男のアブーが座って、二ー二ーを歓迎していた。
「ニールか……ようこそ。そこのスリッパを使って」
「え？」
「一緒に暮らす仲間だ」
「え？？」
なぜ、二ー二は困惑しているのか。
まずはじめに、人間界に来たら人間と暮らすのが二ー二の夢だ。人間界に来ると聞いて、オレとアイラがこの万聖街『1031号室』を紹介した。
そしてここには、"人間の住人は居ない"
「わりーな、二ー二ー」
「何で………人間が居ないんだーーーーっ！！」
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作者名：阿野 | 作成日時：2022年11月26日 19時
