【アイナナ】mirage【大神万理】 (ページ6)

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番外編：親愛なる君に。ページ6

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11月11日、0時都内某所―。
静まり返った秋の夜長、一室に響くラビチャの通知音は留まることを知らず。

Re:valeの百こと春原百瀬のスマホはこの日ばかりはいつにも増して忙しなく働く。
その理由は明白、人付き合いの幅が広い彼の生まれた日を祝おうと各方面からのメッセージが怒涛のように雪崩込むから。

｢わぁ！今年もいっぱいだ。あ！三月からだ、と思ったら龍ちゃんからも…おお、TRIGGER、今3人揃って飲み会してるのか。呼んでくれれば良かったのに〜｣

画面の前でころころと表情を超える様は彼の愛嬌の良さがよくわかる。
鼻歌交じりにフリックしていれば気づけば0時を1時間回った頃か、大好きな名を目にしないことにふと気づいた。

何年来の相方、千からのラビチャだ。

｢あれ、ユキ？もしかして寝ちゃった？！確かにユキらしいけどさ！今更、怒ったりとかしないけど｣

でも、毎年この日だけはちゃんとお祝いしてくれてたのに。

押し寄せる不安を思えば自分でも呆れるほどだ。声を失ったあの日、この問題は解決したはずだというのに。
深く沈み込み、ソファに身を任せること数分―。

再び、一室に響く。
だがそれは同じ無機質でも異質。この時間帯に耳にするには不釣り合いな音。

インターホンである。
こんな時間に誰だろうと重い腰をあげ、1度鏡の前で立ち止まり表情を整える。如何にも彼らしい行動。

せっかく、きてくれたお客様にこんな死んだ顔見せられないもんね！

が、相手を確認するも画面は真っ暗。
夜闇に紛れ、というわけでもなくなにかでカメラを覆われているようにもとれるこの光景に百が出した結論はひとつ。

これは誕生日ドッキリだ。

そうとなれば、とりあえずは応対。
なるべく自然に、かつイメージを壊さないように心がける。

｢はーい。どちら様でしょうか｣

けれどそれはドッキリではなく。
1面覆われたそれが剥がされると、紙を持った男性は徐々に後ずさり焦点が合う。

その相手に誰が予想できただろうか。

｢え？！ユキ？！！｣

それは意外も意外。
出不精な彼では信じられない光景に思わず声が上がる。

HappyBirthday、Momo。
と書かれた紙を持ち、照れくさそうにする男性は愛してやまない相方だ。

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お久しぶりです。
1日すぎてしまいましたが、百ちゃんのお誕生日小説を挟ませていただきますm(_ _)m
お楽しみいただけたら幸いです。(5話構成くらいかな？)

湊。