【アイナナ】mirage【大神万理】 (ページ18)

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Re:11 ページ18

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「ホント！あのときのAっち、かっこよかったよな！りっくん！」

「そうそう！もう俺、びっくりしちゃった。Aさんしかいないはずなのに目を瞑ったらふたりで弾いてるみたいに聴こえたもん」

楽し気な話声が響く小鳥遊事務所。
今日も平和な１日が終わろうという時分、アイドリッシュセブンのメンバーが事務所へと顔をだしていた。渦中の話題は先日のロケでの話しであり、岡崎の知らかったことが悔やまれぬほどの特技が発見されたことで持ち切りというべきか。

つい先日行われた収録でのこと。
現役高校生を応援！部活動企画という番組趣旨の元、パーソナリティとして呼ばれたのは超人気アイドルRe:valeのふたりと話題沸騰中のアイドル、アイドリッシュセブンの和泉一織、四葉環、七瀬陸の５名がキャスティングされ収録もそこそこに休憩時間となったときのことか。

一行が訪れていたのは管弦楽部の一室。
"皆、とっても上手だよね"なんて言葉を交わしていれば思わぬをひとことを放ったのはRe:valeの千。余計なことをいうなよという岡崎Aの視線を他所に良い意味でマイペースを発揮した彼の元、事件は起こった。

「そういえば、岡崎さんって"楽器"がすごく上手なんだ。知ってた？」

「ちょおっ！ユキ、それは言っちゃ」

にこりと放たれたひとことに止めに入る百の努力はあったものの、時すでに遅し。
七瀬陸の瞳は輝き、四葉環と共に詰め寄るまでそう時は要さず。

「まじかよ！！なに弾けるんだよ！Aっち！」

「聴きたいです！Aさんの演奏！！」

「い、やその別に私はそんな弾けるとか」

面倒事が起こる予感を察知し目をそらすと、「余計なこと言ってるんじゃねぇぞ」と視線をとばす。
まあそんな視線も相手が千であるだけにどこ吹く風という感じ。
純粋ビームに敗北するまであと少しというところ。

「一織くん、ヘルプ。百くんでも可…」

「こうなった七瀬さんは止められませんよ、あきらめてください」

「ごめん、Aさん。俺もすっごく興味あるっていうか(久々に聴きたい、めちゃくちゃ聴きたい！！)」

「まさかここで"できません"なんて言わないでしょう？それとも自信がないとか？」

にこりと微笑む千を前に、一歩二歩と距離を詰め距離感は目と鼻の先だろうか。

「じゃあ、ピアノ弾きなよ。まさか私１人に弾かせるわけないよね？」

「僕は構わないけど？」

戦いの火蓋(？)は切って落とされた。

(続きます)