【HQ!!】俺の味覚は狂っとる３【男主】 (ページ32)

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１０７話ページ32

３人で神無月家に移動すると帰った時に困らないようにだろう、玄関からリビングまでの電気がつけっぱなしになっていた。

すぐに準備するからと言ってリビングに侑と治を放置して自分の部屋に駆け込み、予定表と照らし合わせながら教科書等をカバンに詰め込んだ。

「おっ。なぁなぁ神無月ー」

部屋着と練習着、下着等の着替えを小さなリュックに詰め込み、シワになって困るカッターシャツだけは腕に引っ掛けて例のミステリー小説を手に、荷物を確認している最中に名前を呼ばれてリビングへと戻る。

「はいはーい？……あぁ……母さん、味噌汁作ってってくれたんか。どないしよかな」

治に渡された書き置きと侑がフタを取って指差している鍋を見て苦笑いを浮かべた。

「ちょい待っとけ……あ、おかん？今神無月ん家居るんやけど、鍋に味噌汁あんねんって。処分に困っとるから迎え来て」

「ちょっ、治!!」

慌てて止めようと手を伸ばすが通話中な事を思い出して口を閉じワタワタと手を上下させ、神無月が躊躇っている間に話し終えた治が電話を切ってポケットに戻す。

「１０分くらい待っとけ、って。『あら、ええの？今から作るトコやったから助かるわー』言うとった」

「俺も助かるけど迎えに来いは流石に申し訳ないやろ。明日は帰って来るんやからタッパーに移して冷蔵庫入れてもよかったんやで」

「ええやん、おかん帰るまで泊まったら」

「それとも赤木さん家やないから泊まりたないとか？」

「そんな訳……」

「１泊も３泊も変わらん変わらん」

「“先輩ん家”で遊んでんやろ？やったら“友達ん家”でもお泊まりでしか出来ん事して遊ぼや」

「…………お世話になります」

「「おん」」

ペコリと頭を下げた拍子に着替えを入れたリュックを見られ、ひったくるようにカッターシャツと小説を奪われ『全部やり直せ』と怒られながら踵を返して部屋に戻った。

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カッター・カッターシャツ＝Ｙシャツ

制服やスーツのシャツをＹシャツと呼ぶのを知らない人が一定の年齢になってから他県の人と話したりなんかして「なんで通じへんの!?」ってビックリするヤツ。

飛べない烏がだいぶ前から更新止まってます。正直言います、俺の味覚のせいです。

「あっ、そういえばアレって……」などと思いつく度に調べてますが(主にルール等)、飛べない烏の頃は知らなかった情報がボロボロ出てきて使えないネタの処理に困って現実逃避したまま放置してます。

飛べない烏については、もう暫くお待ちください。本当にすみません。