【HQ!!】俺の味覚は狂っとる３【男主】 (ページ19)

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９４話ページ19

『どんだけの可能性があるんか、よぉ考えとーみ。なりたいモンがあるなら俺等がいくらでも助けたる。職業によったら早めに取らなアカン資格もあるし、なんかあったらどの先生でもええから相談せぇ、な？』

数時間前に聞いた言葉を脳内で反芻しながら、神無月は机にペタリと頬を付けるように身体を折り曲げ、同時に渡された１枚の紙を上から下へと流し見る。

「神無月ー、グループ練行くでー」

明日の体育祭に向けた最後のグループ練習の迎えに来た銀島と治は、突っ伏していた身体を慌てて起こした神無月に駆け寄ると握られたままの紙を無遠慮に取って目を通す。

「コレは？」

「過去の卒業生達が稲荷崎(ここ)から巣立った軌跡の一覧、かな？」

「ん？なんでこんなん持っとん」

「進学は決めたけど学部から先が想像出来ん、って言うたら担任が、こんだけの未来が選べるんやでー、って」

「あれ？」

「シャチョーさんなるんやなかったん？」

「せやかて営業さんにならん言うんやもん」

「フッフ、そら残念やったな」

「そういや赤木さん、なりたいモンは決まっとる言うとったわ」

「この辺とか凄(すご)ない？政治家に弁護士やて」

パパッと荷物を片付けてカバンを肩に掛けると紙を覗き込み『この辺』と言いながら指差した先を見てギョッと目を見開いた。

「うっわ、モデル…税理士…」

「医者に留学……ヤバ…」

「何年かしたらこの中に俺等も入るんやろか……」

「ふふっ、せやな。さ、グループ練行こか」

「おん!!」

「明日は絶対ツムに勝つんや!!」

お互いに肩を叩き合いながらグループ練が行われる体育館へと走り出した。

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進路の話題はちょっと早いけど末っ子の弟の、就職の合格祈願に。
滑り止めの滑り止めは受かって、滑り止めは今度試験で、本命がだいぶ先らしいです。