90話 ページ15
合宿2日目の練習終わりの事。
「ほんなら、サーブやってみよか」
レシーブ練の為に誰を誘おうかと歩き始めた神無月の腕を掴んだ侑は満面の笑みを浮かべてグッと親指を立てた。
「……侑…?」
「流石にジャンフロは無理やろうし、普通にジャンプサーブでええよ」
「普通に?えっ、普通にって言うた?ジャンプサーブって“普通に”なんてレベルやっけ?ってか、お前の言うジャンプってスパイクやないん?お前や尾白さんがバンバン吹っ飛ばすヤツやろ?アレ普通なん?」
「さ、やってみよか」
「侑さん!?」
神無月のツッコミを総無視する侑はボールのカゴを取って来て適当に置くと、ボールを持たせた神無月をサーブ位置に立たせて説明する。
「……と、言っても、まぁ……結局はトスの距離感とか身体で覚えるしかないんやけど。とりあえず今回はラインの中に入ったらええよ。あ、ネットはカウントせんから」
「今回……“は”?えっ、次回があるって事?」
「はい、やるでー」
「聞けや!!」
「ちゃんとトス上げぇ」
「っ、くそ!!後で覚えとけよ!!」
「ほーれ、また助走が雑や。もう1本」
次から次にサーブを打たされてはコートにボールが転がっていく。
こんな体験を何処かでしたような……、と記憶を遡ってみれば春頃に侑にスパイクを練習させられた事を思い出した。
あの頃もリベロに不要な技術だとは思っていたが、反則スレスレの例のスパイクを練習する時に若干役に立ったと言えなくもない。
「はーい、ナイッサー」
「はっ、はっ、はっ……とりあえず、サーブ打った回数分ぶん殴る」
「なんで!?」
このカゴ2つ分のサーブが活きる事はあるのかと、足元に転がってきたボールをカゴに戻しながら無駄な事を考えた。
ーーーーーーーーーーー
ぶっちゃけ「多分……コレ、兵庫じゃ使わねぇよな…」って方言もしれっと喋らせてます。
「よぉに考えとーみ?(よく考えて?)」とか「なんなん(何ですか)」とか「甘(あま)ない」とかがソレ。
甘ないのルビは甘(あも)ないでも可。
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リオ - 応援してます! 続きも待ってます! (7月17日 23時) (レス) id: ef6da3ad84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:万里 | 作成日時:2021年5月25日 19時