そんな都合のいい話は嫌いだけれど３

第96話 ページ2

兵助side

なんだろう
今日の勘右衛門とA、どことなくぎこちない
昨日何かあったのだろうか

八「Aー！」

八尾さんはいつも通り話しかけてるし

俺の考えすぎか？
俺がそう思うだけか？

尾「兵助？どうした？」

久「おわっっっっ!!???」

咄嗟に口をふさぐ
びっくりして大声出しちゃった…
顔全体に熱が広がっていくのがわかる

尾「ふふ、、(笑) 兵助らしくないな(笑) 頭なんか抱え込んっじゃってさ」

それはお前のことが心配で…なんて言えるはずない
増してやこんなに驚いたのも勘右衛門が気配なしで俺に話しかけたからであって…
考えたらきりがないからやめよう

久「ちょっと今日の夕飯は木綿か絹ごしか悩んじゃってさ」

尾「俺は木綿に一票！」

良かったいつもの勘右衛門だ
明るく裏表のない笑顔
こっちまで幸せになるような…

幸せになるような

ような

よう

な

勘右衛門の額に浮かび上がる汗
お道化た笑顔。顔色が悪い。
やけに肌が白い

何かを隠しているような
何か俺に知られたらまずいものを持ってるような
何かにおびえているような

なんだろう、胸騒ぎがする

椿side

ご存知の通り俺も薄々勘付いている
昨日Aと勘右衛門の間で何かあったに違いない
二人の気まずい雰囲気からして、喧嘩 とかまあそこら辺のことだろ
俺も「昨日何かあったー？」と
いきなり聞くようなデリカシーの欠片も無い様なことはしない

だが気になる

八「Aー、今日は普段よりずっと静かだけどなんかあった？」

どうだ？
俺の巧みなコミュニケーションの能力で
相手の事情をゆっくりと展開していくのだ！
すごいだろ？

「まあちょっと、驚いてるだけ」

驚いている？
これは予想外に展開だな

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