そんな都合のいい話は嫌いだけれど2

第49話　誤作動 ページ3

尾「皆さん！もう決まりましたか？では投票用紙に一番うまいと思った人の曲を書いてください！」

総合の時間では誰が歌ったかを当てるルールだったが、誰がうまいかを競うこと に変わっていた。
私は前から回ってきた紙に一番良かったと思う人が歌った曲を書いた。
個人的に失望99％を歌った人の声が、深みのあるいい声だったので投票した。

周りを見渡すと、皆絶対あれだよねー と話していた。

尾「皆書き終えた？じゃあ、後ろから回してきてください！」

皆誰に投票したのだろう。
自分に一票でも入ってたらと思うと少しワクワクする

尾「集計結果が出ました！一位は………
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周りがピリつく。どうして人間はつまらないところで神経を削るのか。
私はそう思いながらも、口の中に溜まっていたつばを飲み込んだ
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鼓動の音がだんだん大きくなる
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朝顔の約束です！！」

「おおおおおおおおおおおおおっ！！！！」

え。私？えーまじで？
皆すごく盛り上がってる。すると誰かが口を開いた。

「で！歌った人は誰なんだよ！？」
「尾浜〜早く教えろよ〜」

なんだかこうなると、急に恥ずかしくなる。皆私が歌ったと聞くと、どんな反応をするのだろうか。
私は胸をぎゅっと締め付けた。

尾「歌った人は……

もしもこれを聞いて、私に対する態度が変わるなら、それはそれでいいかもしれない。
私は覚悟を決めて目をつむった。

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百瀬美沙季さんです！！！！」

「わあああああああああああああ！！！！」

は？
私の頭はまだ理解に追いついていないようだ。
意味がわからない。歌ったのはこの私だ

どうしてそんな誤作動が起きるんだ。
美沙季が意図的にやった作戦か？いや、そんなこと美沙季がするはずない。
だとしたら、尾浜の隣りに座ってる大久保が、尾浜が持っている、歌う曲と歌った人を書き換えたとか。

皆が曲を聞いてるとき。皆目をつむっているのだから都合がいいな
コイツが犯人か


そこまで私を嫌うのならいい。どうぞ私にとことん嫌えばいい
私は大久保が座ってる席を睨んだ

「百瀬ちゃんすごいね！！歌手レベルじゃん！！」

「可愛くて、性格も良くて、歌もうまいだなんて完璧だろ！」

「俺、本気で百瀬さんのこと好きかも…」

「きゃー！告白うー！？」

皆、美沙季が歌ったと聞いて大騒ぎしている
そりゃそうだよな。

百「えへへ…嬉しい。」
美沙季は顔を赤くして照れていた
今更誤解だと言っても、誰も聞く耳を立てない状況だった

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