109.ユンギside ページ9
暫く言葉が出なかった。
『…足、壊したのか？』
痛々しく足を抱えている。
『…はい。』
体育祭の時、ホソクに駆け寄るAの姿がこびりついて離れない。
何も見なかったかのように接したけどあの時は本当にショックだった。
『…歩けんのか？』
『…はい。』
塀を伝って立とうとするけど、上手く力が入らないのかなかなか立つことができない。
『…無理じゃん。ちょっと来い。』
すぐそこの公園にホソクの肩を支えて連れて行き、ベンチに座らせた。
…どうやって帰んだよ、これ。
『…こんなんで外出んなよ。』
『…すいません。』
『家どこだっけ、近くだっけ。』
『はい、』
隣で、俺と目も合わせようとせずに黙って地面を見ている。
『…手伝ってやるから。』
『ありがとうございます。』
そう答えたホソクの声が少し震えていた。
こいつは、Aを泣かせた。
いっぱい苦しめた。
なのにどうして俺は、優しくしてんだよ。
そんな自分にも腹が立つ。
『…なぁ。』
『なんですか？』
『過去の事今更言っても仕方ないけど、お前はどう思ってんの？…Aの事。』
質問によほど驚いたのか、ホソクは顔を上げてびっくりしたように俺を見た。
『…今幸せなら、いいと思います。それだけです。』
…は、何こいつ無責任な事言ってんだよ。
俺はよく知らない。
バレンタインの日、Aとホソクの間に何があったか。
だけどAは泣いてたんだぞ？
次の日から俺と学校行くってぐらい、ショックな事があったんだぞ？
お前が苦しめたんじゃないのかよ。
『…は？お前何言ってんの？Aの事苦しめたのお前のくせに…』
『………俺が？苦しめた？…俺を放ってユンギ先輩と一緒にいたのは、Aの方じゃないですか？』
静かな公園に、ホソクの荒い声だけが響いた。
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マンネ - めっちゃいい話でした！！ (2015年8月12日 13時) (
レス) id: cc86500d88 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - テヒョンかジミンでもお話作ってほしいです〜！！！！ (2015年5月24日 13時) (レス) id: 3ac5c21b4a (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - ユンギオッパ大好きだったのですっごくつらいですけどホソクと上手くいってね主人公ちゃん…(完全に感情移入しちゃいました) ユンギオッパのこと考えて涙出てきました（笑） 本当に素敵なお話でした〜〜！ (2015年5月19日 12時) (レス) id: 38c5297ef8 (このIDを非表示/違反報告)
mgmg(プロフ) - あやのさん» コメントありがとうございます(;_;)嬉しいです〜！ (2015年4月21日 21時) (レス) id: 6dbd2b6710 (このIDを非表示/違反報告)
mgmg(プロフ) - なるみさん» ありがとうございます！ (2015年4月21日 21時) (レス) id: 6dbd2b6710 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mgmg
| 作成日時：2015年3月29日 12時
