緑の風船 (ページ50)

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グクは私を見つけるなりニコニコして近寄ってきた。

JK『…あ、ヒョンもいたんですね。今日もう俺も帰るんで、駅まで一緒に行ってもいいですか？』

「…うん、いいよ。」

HS『…グクお前もうAにチケットあげたの？』

JK『はい、もちろん。…ヒョンがヌナにあげたかったですか？』

ホソクはバツの悪そうな顔をして

HS『…いや、丁度良かった。俺レナにあげるつもりだったから。』

…って。

初めから、そうするつもりだったんだって。

ショックすぎた。

あまりにも打撃が大きすぎて、頭をどこかで打って二人の声が遠くで鳴ってるみたいに聞こえる。

俯くとどこの窓からか入って来た落ち葉が一つ哀しげに其処にあった。

JK『そうなんですね、じゃあ丁度良かったです。
てっきり、ヒョンはヌナにチケットあげるんだと思ってましたよ。側からみたらほんとにカップルみたいだから。』

…やめて。グク。

やめて。

ホソクはね、レナちゃんが好きなんだよ。

ホソクが口を開く前に何か言わなきゃ。

これ以上、自覚したくないんだよ。

私の事、何とも思ってないって事。

「カップルみたいとかよく言われるけど…だいたい私はホソクなんか全っ然タイプじゃない！」

…気付けば好きな本人目の前に、突然こんな事を口走っていた。

『…俺だってお前なんか、全っ然タイプじゃない！』

噛み付くように、言い返された。

…知ってるもん。
ホソクのタイプは、レナちゃんみたいな子でしょ？知ってるよ。

結局、言い返されちゃった。

目に涙が溜まるのが分かって泣かないように、唇を噛んでホソクを睨んだ。

言い返してきた癖に、困ったような顔でこっちを見るから何を言っていいのかさえわからない。

ほんとは、辛いって声を上げて泣きたいのに、好きだよって言いたいのに。

JK『…』

グクは少し戸惑ったように考えた後、

いつもの可愛い笑みをいっぱいに浮かべて、

JK『ん～、じゃあヌナ、俺と付き合う？』

to be continue...

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近すぎて届かない緑の風船。

風に乗ってふわふわと私の周りを回るのに、ずっとずっと掴めないまま。

掴む勇気もない…私。