緑の風船 (ページ48)

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昼休みの図書室。

あったかくて本の匂いがして、落ち着く。

prrrr...
prrrr...
prrrr...

…電話？

「もしもし？」

JK『あ、ヌナ、今どこにいる？』

携帯から聞こえてきたのはふわふわと柔らかいグクの声。

「図書室だよ。」

JK『渡したいものがあるから、図書室で待っててくれる？』

…渡したいもの？なんだろう。

「ん、わかった。」

暫く本を読んでいると、

JK『あ、いた。』

と背後から聞こえる透き通った声。

「グク～どうしたの？」

JK『あのね、これ。』

ポケットをゴソゴソやって一枚のチケットを取り出した。

『今度ダンスのイベントがあるんだけど…ヌナ、見に来てくれない？ホソクヒョンからもう貰ったかなぁ…？』

「そうなんだ！ホソクから貰ってないよ。ありがとう。」

私がそう言ってチケットを受け取ると、にっこり笑う。

JK『…ホソクヒョンに先越されなくて良かった。』

「…え？」

JK『…んと、じゃあ…とにかく。今週の日曜日ね？』

頷くと、俺も本読もうかな～。なんて言いながら機嫌よく本を物色し始めた。

…ほんと、見れば見るほど綺麗な顔した後輩だこと。

『…じろじろ見ないでよ。』

と言って、照れて赤くなるグクも可愛いなぁ。

「可愛いね、グクは。」

JK『…ヌナのばぁか。』

可愛いと言われるのがお気に召さなかったようで。

「かっこいいね、グクは。」っていい直したら、

『…///』

耳まで赤くなった。

「ははっ、やっぱ可愛い。」

JK『…ヌナなんて嫌いだ』

私の癒しの後輩くんはからかうのが面白い。

予鈴が鳴って、図書室を出ようとした時いきなり腕を掴まれて、

『…俺を見に来るんだよね？ヒョンじゃなくて…』

…って、真剣な顔して聞いてくる。

掴まれた腕は力がこもっていて少し痛いくらい。

…どうしましょう。

少し戸惑って私は

「当たり前じゃん。」

…なんて言ってしまった。