緑の風船

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『ごめん昨日携帯充電無くなってさ！』






…なんだ、そんなことか。








『俺ずっと待ってたんだけどさ、校門閉まったからさすがに帰ったと思って…』









…待ってたんだ。








『んでAの家行ったらお前の部屋の電気付いてたから！んで家帰って充電しようと思ったんだけどさ〜！俺の家充電器一個しかないのね？』







…あぁもう。相変わらず煩い。








『そんでさ！母さんが昨日の夜充電してたから、朝からちょっとだけ充電して、やっとメッセ見れたわけ！』








「…わかったよ、煩い。」








次の日の朝。






空は昨日と正反対で雲に覆われていた。





肌寒くて、カッターシャツの上にパーカーを羽織るホソク。





いわゆる萌え袖ってやつになってて、女子かよ、って心の中で突っ込む。






…にしても、反応が薄い私。









昨日グクに聞かれた事を変に意識して一人で気まずくなる。







『なんか最近あんま喋んないな。』






そういって顔を覗き込んでくるホソク。





慌てて目をそらす。







『やー！なんだよ！逸らすなよ。』







背けた私の顔を両手で挟んで自分の方へ向かせる。






…熱い。







「…」









『…なんか言えよ。』









「…離して。」








顔が真っ赤で、心臓が煩くて、恥ずかしすぎて嫌になる。







『…やだし…俺なんかしたっけ？』









「…なんもしてないから…離して。」






ホソクの手を無理やり剥がすと、ホソクはすごく悲しい顔をした。





その顔を見て、また心臓が締め付けられる。








…やだこれ。








しんどい。









『…なんかごめん、』









「…別に、」









…ごめんねホソク。









ホソクは何も悪くないよ。









…おかしいのは私。

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