緑の風船

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文化祭前日の放課後は、廊下は賑やかなのに教室で一人黙々とポスターを書く私。






ガヨンはバイトに間に合うギリギリまで手伝ってくれたけど、もう帰ってしまった。






…あとポスター3枚書いて、飾りつけもしなきゃじゃん。







…帰れんのかなこれ。







…そもそもなんで私が描かなきゃいけないのよ。








イライラしながらポスターを描いていると









『ヌナ？一人で何してるの？』






ドアからこっちを覗くグク。







「ポスター描いてるの。」







『…手伝おうか？』






「…いいの？」






『俺絵は自信あるんだよ！』






教室に入ってきたグクは、文化祭用のクラスTシャツを着てて、袖から伸びた白い腕が眩しい。







「…はい、じゃあこれお願い。」








『うん！』








暫くペンを滑らせる音と、時計の進む音だけが響く。









ちらっとグクのポスターを覗くと…








「うわ！グクすごい上手だね！」









『ひひ、ヌナも字、綺麗。』









顔を近づけて言うから、熱くなる。







…なんだこの子。







『ヌナ〜？』






からかうように言うグク。
…狙ってるなこの子。








大きな目に、長い睫毛に、白い肌。








けしからん、ヌナキラー。

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