その音をかき鳴らせ！【瀬見英太】

合コン ページ3

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「M大学３年神崎環です！
　お菓子作るのが趣味です」


「同じくM大学３年小島Aです
　好きなものは音楽です」



一通りの自己紹介を互いに言い終える




「堅苦しいけど、爽やかイケメン多くない？」



環がそっと耳打ちをする___これは当たり と



合コン相手は公務員や一部上々企業の20代前半


よくもまあこんなスペックの高い集団を集めたなと
感心し、確かにこれは俗に言う優良物件だった




適当に、その場の空気を悪くせず
愛想笑いではなく営業スマイルでその場を凌ぐ




「席替えしようぜ」





相手の誰かの声でシャッフルされる



「えーと、小島さんだよね？こんばんは」


「…そうです、こんばんは」




目の前に座る人はツートンな髪色をしている
確か___瀬見さん、公務員__



公務員があんな色していてもいいのかと
思いつつ今はもしかしたらアイデンティティ
を取り入れているだろうと片して自己納得する




「小島さんて音楽何が好きなの？」


「聴く専ならメロコアですね」


「え、まじ！？俺もメロコア好きなんだよね」




…出た。相手の趣味に合わせて好意を
持ってもらおうととりあえず会話を広げる常套句




環に何回か合コンに連行された結果、会話の引き出しの観察力がついてしまったらしい



でも、どうやらこの考えは間違いだったと訂正される



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