軽音部のイケメンが知り合いだなんて！

校庭。 ページ16

４時間目の授業終了後









私の前の席の女子２人が騒いでいる



「見て見て！ヤバイ、ヤバイから！！」


「キャッ、ホントヤバイ！」


「皆、来て！見ないと損だよ！」



その一言でクラスの大半の女子が窓側に集まる









何がそんなにヤバイのか


まあ、どうせ大したことないだろうと窓の外を見る
(こういう時に簡単にのぞけるのが窓際席の特権だよね)









校庭には体育着姿の隣のクラスの男子たちがいて
誰が彼女らの言う「ヤバイ」なのか、一瞬じゃ分からない


あ


見覚えあるぞあの人


重岡くんと、神山くん









なるほど、皆のお目当ては、しげかｍ「かみしげ！！ヤバイ！」


さえぎられた・・・まあいいか









校庭歩いてるだけでキャーキャー言われるなんて
本当に凄いな・・・。









重岡くんが体育着のすそで汗を拭いてる


惜しげもなくさらされる腹筋


と、それを見てさらに盛り上がる女子たち









うわー絵にかいたようなイケメンだー(心の声)









「え、ヤバ！こっち見てる！」


「キャほんとだ！」









「そら、こんなに騒いでたら気づかれるでしょうよ。」(小声)









にぎやかなクラスメイトにはバレていないであろうが
地味に呆れている


うるさくてイライラしてるというよりは
よくそんなに盛り上がれるなぁ
というある意味尊敬の意をこめて









ボーっとしたまま
もう一度校庭に目線を落とす









「あ」









重岡くんと目が合った









彼お得意の笑顔でこちらを見上げている

そして・・・









すごい勢いで手を振ってくる


まるで飼い主が帰宅したことを全力で喜んでいる犬みたい


しっぽが見えるぞ(笑)









「キャーーーーー」









「・・・。」








響きわたる黄色い声で我に返ったんだけど・・・


いまのってワタシに向かって手振ったのかな？









いや、そんなことあるわけないか


うん、まだそんなに会話したことないし
ワタシ影薄いから、そもそも認識されてないだろうし









自問自答が一段落したので再び外を見る









あ(笑)









重岡くんが神山くんに強制連行されてる








重岡くんのしっぽが垂れてる感じがよく伝わってくるよ・・・(笑)

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