タイトル未定 ページ10
紫 side
ガラガラ、と音を立てて生徒会室のドアが開けられた。
確か今日は会議はなかったはず、そう思い顔を上げると見たことない男子生徒が立っていた。
少し暗めの茶髪の頭をゆるーくパーマ当ててるその子は、深刻そうな顔でたっている。
「えっと…1年生かな?場所分からへんの?」
見たことない顔だから三年生でないのは確かだ。
しかし、男子生徒は首を横に振った。
「じゃあ...」
「2年C組の丸山隆平です。村上先輩にお願いがあって…」
「お願い?」
「会わせてほしい人がいるんです」
丸山くんは真っ直ぐに俺を見つめ、そう言った。
「村上先輩がいつも一緒にいる3年生の先輩で、名前分からへんのですけど黒髪の背が低くて小柄な人...です...」
「あー、もしかしてすばるのことかな?」
「すばる...先輩...?」
「ちょい待ってな?
確か写真…写真…」
ポケットからスマホを取りだし、すばるの写メを探す。
あいつ撮られるの嫌いやからピン写はないねんけど、確か3人で撮ったのはあったはず。
「あった、あった。こいつちゃう?」
「あ!この人です!えっと...」
「すばる。渋谷すばる」
「渋谷先輩は今日はどこに...」
「さぁ。猫みたいな奴やからなぁ。
なんで探してんの?」
「ちょっとお話したいことがあって。
でもありがとうございました」
深々と頭を下げた丸山くんは、失礼します、と言って行ってしまった。
.
63人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
∞章いちご∞(プロフ) - 大好きです。この章説。続きを書いてほしいです。更新楽しみにしてますね! (2016年8月15日 8時) (レス) id: 71e837c081 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かぷちーの | 作成日時:2016年7月12日 22時