タイトル未定 ページ9
青 side
さっきから隣を歩くマルは黙り混んでいて、とぼとぼと歩いてる。
いつもは鬱陶しい程話しかけてくるくせに。
「...マル」
「...ん?」
「知り合い?」
「いや…校内で見かけることはあったけど、話したことはない」
「そっか、」
うざいくらい黙りこむマルに段々と苛々してきた。
いや、苛々しているのはあいつに声を掛けられてからか。
どっちにしろ気分は最悪だ。
「ってか、なんで黙ってたん?」
完全に八つ当たりやった。
バンドを組もうと言われたことに対する八つ当たり。
それでもマルは哀しそうに眉を下げて謝るだけ。
怒ることも、呆れることも、突き放すことも、しない。
「...ごめん」
それ以上はなにも言わない。
でもその表情が苦しくて、マルから目を反らした。
「バンド、組みたかったら組めば?」
「っ、!?
章ちゃんと一緒やなかったら、意味ない!!」
「やからっ!俺は組まへんって!」
「だったら僕もせぇへんよ!」
「なんで俺に合わせんねんっ!」
「だって!章ちゃんのギター以外、ありえへんもんっ!
章ちゃんの作る曲以外ありえへんっ!」
そう言って駆け出したマルに掛ける言葉なんか見つからず、ただただその場に立ち止まり背中を見ることしか出来ひんかった。
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∞章いちご∞(プロフ) - 大好きです。この章説。続きを書いてほしいです。更新楽しみにしてますね! (2016年8月15日 8時) (レス) id: 71e837c081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぷちーの | 作成日時:2016年7月12日 22時