タイトル未定 (ページ33)

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タイトル未定ページ33

橙 side

そろそろ帰ろうかとしている時、司会の端に村上先輩が映った。

ベースを仕舞う手を止め村上先輩を見ていると、視線がぶつかった。

「っ、先輩！！」

立ち上がって手を振ると小さく会釈する先輩。

手招きをすると隣にいた長身の高校生と一緒にこちらにやってきた。

「マル、知り合い？」

「うん。渋谷先輩の友達」

そう言うと納得したように頷いた章ちゃん。

「路上ライブやってるっていうのはすばるから聞いとったけど、えらい本格的なんやな」

「凄かったです！…あ、僕のこと覚えてます？？」

隣にいた男の子は章ちゃんに問いかけた。

首を傾げる章ちゃんに、音楽室で1度会ったんですけど…、と言うと思い出したような声を上げた。

「ホンマ凄いですね！また聴きに来てもええですか？？」

「聴くのはかまへんで」

「章ちゃん素直やないなぁ。いつでも聴きに来て下さい」

にっこり笑えば、彼も嬉しそうに微笑んだ。

「あ、僕大倉忠義って言います！家が楽器屋でギターとかドラムとか趣味で触るくらいなんで、先輩達とは比べ物にならへんですけど…

良かったら、うちの楽器屋にも遊びに来て下さい」

「丸山隆平、あだ名はマルちゃんです。

楽器屋って大倉楽器のこと？？あそこはよく行くんやけど、同い年くらいの子がおるなんて知らんかったわ。

これから宜しくなぁ？」

「安田章大です。大倉楽器にはギターの調整によく行くから、そんときはよろしく」

「村上信五です。すばるの友達って言うたら話早いかな？？まぁ、音楽はすばると違って素人やけど、タツとは小さい頃からの仲やから俺もよく入り浸ってんねん。

店で会ったらよろしゅうな」

簡単な自己紹介と流れで連絡先を交換してそれぞれの家路についた。

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