運命 ４

隆弘への答え ページ21

あすかside

姉「じゃああすか頑張ってね。」

朝起きて姉に午前中に秀太と夜隆弘と話すことを伝えた。

姉は詩歌がいたら話しにくいからって無理言って仕事を早く切り上げて帰ってきてくれた。

そして姉と詩歌が帰るとすぐに隆弘が来た。

隆弘と向かいのソファーに座った。

気まづい空気が２人を包む。

意を決して話し出す。

あすか「あのっ！隆弘…私……」

西島「お腹すいた！ねぇ、なんか作って？」

あすか「えっ！？あっ……うん。」

思いもよらない発言にタイミングを逃してしまった。

あすか「ちょっと待ってて…」

私はキッチンに向かった。

私なにしてるんだろ………

あすか「はぁ……」

冷蔵庫を開けながらため息をついた。

西島「なにため息ついてるの？」

フワッと香る隆弘の香り………

背中から伝わる温もり…

何度も触れた唇が私の耳元で囁いた。

あすか「………隆弘…離して？」

西島「やだって言ったら？」

あすか「………」

西島「いつになったら俺の事好きになってくれるの？」

いつもドSなくせに……
なんで今日に限ってそんな弱々しく言ってくるの？

あすか「ごめんなさい…私、隆弘のこと……」

西島「それ聞きたくないんだけど。」

そう言った隆弘は私の向きを変えるとそっと顔を近づけてきた。

“真司郎の事、幸せにしてあげて。”

頭を過る実彩子ちゃんの言葉。

“真司郎のこと……大切にします。”

私の気持ちと決意。

その瞬間、隆弘の唇を避けるように俯いた。

西島「………そんなにイヤ？そんなに俺の事嫌い？」

スーっと私から離れた隆弘の顔を見上げた。

今にも消えてしまいそうなくらい切ない顔をしていた。

私は今まで隆弘に流され、受け入れ……
どれだけ彼に期待をさせていたのだろう……

本当、最低だよね。

あすか「ごめんなさい…。
嫌いとかイヤとかじゃないの。
私、ずっと自分の気持ちが分からなかった。

でも、やっと気づいたの。
私隆弘の気持ちには………」

西島「泣くなよ……。
分かったよ。ごめんな。今まで俺の感情押し付けちまって……。」

あすか「隆弘は悪くない！私が中途半端な気持ちで……」

西島「謝るなよ。」

あすか「だって、キスを受け入れたのも事実だし…期待させたのも事実…
そして傷つけた………。」

西島「いいんだよ。
俺がお前とキスしたかったし、期待もしたかったの！………傷ついてなんてねぇよ。」

そう微笑む隆弘は見たことないくらい優しい顔をしていた。

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