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『...が、ガタイも良くなったね!あんなにヒョロヒョロだったのに...』
「まだまだだけどね」
『なんか、有名人って感じ〜...へへ』
自分で言ってて悲しくなってきちゃった。
「...」
『...』
あ…やばい、変な空気にしちゃった、どうしよ...。
何を話そうか迷っていた時、佑京くんが口を開いた。
「Aちゃんが引っ越す日に俺が言ったこと、覚えてる?」
『っえ、お、覚えてるよ!
佑京くん覚えてたんだ、忘れてるかと思ってた』
「なんでだよ、笑」
まさか佑京くんからその話が出てくるなんて思ってなくて変な声が出た。
でも、あの時みたいに子供じゃないから分かるよ、現実は甘くないこと。
この気持ちは一方通行で、今日で忘れなくちゃいけないこと。
『大丈夫!忘れてって言うなら忘れるからさ、!』
私上手く笑えてるかな。
「...A?」
『連絡もしないし、友達だったってことも言いふらさないから、』
「ちょっ、A」
『だから、だから安心してっ...』
「A。」
両手で頬を包まれて無理やり顔を合わせられるけど、涙でぼやけて何も見えなくて。
『もうやめてよ、忘れられなくなっちゃうじゃない』
困らせてるんだろうな、そう考えるともっと涙が溢れそうになる。
「...時間かかってやっと見つけたから、俺はもう離したくないんだけど。」
時が止まって、涙が引っ込んだ。
『な、なんでよ...』
「待たせてごめん、俺と付き合ってください」
『うぅ...待たせすぎだよ...!もうちょっとで忘れちゃうとこだった!』
止まったと思った涙がまた溢れ出した。
「俺に振られると思ってこんなに泣いてるのに?笑」
『うるさい、、!もう一生離れてあげないから!』
「おー、そういう約束だからね」
.
「告白するなら絶対今日だったんだよね」
『どうして?』
「サヨナラHRなんて1番かっこいいじゃん」
『…』「呆れた?」
『いや、いつだって1番かっこいいのになって』
「…」『照れた!』
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作者名:ちゅお子 | 作成日時:2023年7月3日 2時