いけしゃあしゃあ (ページ6)

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同点のまま迎えた9回ウラ。

2アウトでマウンドに上がって来たのは佑京くんだった。

なんだか他人事には思えなくて、もしかしたら佑京くんより緊張してたかも。

でも、とにかく祈ることしか出来ないから、両手を強く握って彼を眺めた。

一瞬、目が合った気がする。

カキーンといういい音がして、ボールはみるみる客席に吸い込まれていった。

一気に球場のボルテージは上がり、私も朱里や近くのホークスファンとハイタッチして喜んだ。

選手と喜びを分かち合っている佑京くんは、すごく輝いて見えた。

こんなかっこいいところを見せられたら、忘れるなんて絶対無理。もうしばらくは諦めよう。

彼が今何しているか知れただけ大収穫だ！

ちょっとだけ、寂しいけど。

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興奮冷めやらぬままドームを後にすると、あちらこちらから佑京くんへの賛辞の声が聞こえてくる。

すごい人になったんだなと改めて実感する。

このまま帰れるわけが無い！とスマホでご飯屋さんを探していると、電話がなった。

知らない番号で、なんだろうと首を傾げつつ、仕事の電話かもしれないのでとりあえず出てみることにした。

『もしもし...？Aです』

「おっ、Aちゃん？」

『え？す、すみません、何方でしょうか…？』

「あ、ごめんごめん俺、

佑京、周東佑京」

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