縁があれば千里 ♥ sh23 ページ4
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『ホークス?』
仕事終わり。
親友兼同僚の朱里と飲んでいると、野球の試合観戦に誘われた。
[うん!彼氏と行こうって話してたんだけど、彼氏が行けなくなっちゃって…どう?]
『え〜、私ルールとか分かんないけど…』
[大丈夫!私が叩き込んであげるから!しかも!タダでいい席だよ?]
迷ったものの、日程を聞くとちょうど予定のない日。経験に損はないか、と思い、二つ返事でOKした。
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『その…めっちゃいい席じゃん』
「でしょ?」
『うん、選手全然知らないことが申し訳ないぐらいに…』
朱里に叩き込まれたルールで頭がいっぱいで、選手はギータ?さん以外知らない。
そのギータさんも不確かだし。
先程買った球場飯とやらを食べていると、そろそろ試合が始まるようだった。
守備位置もよく分からないし、とりあえず選手の名前だけ聞いてみよ。
アナウンスの声に耳を傾けた。
"センターフィールド、周東佑京ー!!"
心臓がドキリと高鳴って歓声が遠のき、
守備位置まで走るその姿しか見えなくなった。
まさかとは思った。
同姓同名なのかもしれないって、
0に等しいことで無理やり納得しようとした。
でも走り方が、
あの佑京くんと全く一緒だった。
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作者名:ちゅお子 | 作成日時:2023年7月3日 2時