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そう言うと右手で私の頬を掴んで、鼻がくっついてしまいそうな距離まで近づいた。
熱を孕んだ瞳から目を逸らすことができず、そのまま固まっていると、痺れを切らしたのか更に顔が近づいてきた。
『……な、っ、、まって、』
逃れようと後ろに体を引いたのは逆効果で、結果的に押し倒される形になってしまった。
「酔い、覚めた?」
『覚めた、覚めたから一旦退いて、』
「んじゃ尚更やな」
『え、』
「好き」
『…へ、?』
「ちゅーしてええ?」
『…や、ちが、す、すきって』
「うん言うた、好きって」
ぼんっと顔に熱が溜まっていく私を見て、茹でダコやん、と笑った。
「あんまり酔って可愛ええことすると、本気にするけぇやめとき」
そう言って起き上がった柳田は、余裕そうに缶ビールをひとくち飲んだ。
『……本気にしていいよ』
「、、は?」
『わ、私も好きだから、…本気にしていいよ』
「………俺が酔うとんのかな…」
『それは知らないけど…笑 私はもう覚めてるよ?』
「……………」
固まっている柳田の頭上には"処理中"の文字が見えた。
「…ちょっ、と、、一回抱きしめてもええ?」
『ふふ、今更許可いる?』
さっきまでの勢いはどこへいったのか、柳田はまるで壊れ物に触れるかのように私を優しく抱きしめた。
彼の体温が伝わってきて、胸が熱くなる。
「っはぁ〜…これアカンわ、、
……絶対手出さんから今日泊まってもええ?」
『今一番信用ならない言葉だね』
「あれは不可抗力じゃけぇノーカン」
うちのベッドはシングルサイズだけど、どうやって寝ようか?
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作者名:ちゅお子 | 作成日時:2023年7月3日 2時