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『…楽しい?』
「いや、そんなに」
そう言って私の首筋に頭をスリスリ、いや、グリグリしてくる。これは布団の中でよくする行動。
もしかして眠いのかな?
そうなると嫌な予感がするんだけど…
『っ痛!?』
やっぱり、気づくのが遅かったか…。
今度は私の首筋をかぷかぷと噛んでいる由伸くん。眠くなると私のどこかしらを噛むのが由伸くんのくせだ。
さっきから口数が少ないなとは思ってたけど、眠いのが原因か。
『ちょっと、痛いよ?』
私がそう言うと、噛む力が少し弱まった気がする。本人は甘噛みのつもりなんだろうけどさ…。
ふとさっきのテレビの話を思い出す。
確か、猫ちゃんの甘噛みは愛情表現なんだっけ?そう考えると可愛く思えてくるかも。
今日ぐらいは我慢してあげよ、明日からは怒るけど。
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『終わった!は〜寝よ寝よ』
2人でベッドに吸い込まれるように倒れ込む。
「せま〜」
セミダブルのベッドに2人で寝ているんだから、そりゃあそうだ。
『ベッド買う時に「俺、1人で寝たい」って言ったのはどこのどいつだったかな〜?』
「おい、俺そんな声じゃね〜よ笑」
誇張して由伸くんの真似をすると、嬉しそうな声のツッコミが入る。
『今度ベッド買い替えに行こうね』
「え、なんで」
『なんでってなんでよ。狭いんじゃないの?夏も来るしさ』
「…いいじゃん暫くはこの大きさで」
…嫌そう。
まぁでも、可愛い寝顔をこの距離で見られるのもセミダブルの特権か。
由伸くんも、同じこと思ってる顔してる。
『…じゃあ、暫くはいっか。』
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作者名:ちゅお子 | 作成日時:2023年7月3日 2時