やけくそ【津田健次郎】 (ページ6)

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『表参道なんて、久しぶりに来ました。』

津田「俺も久しぶりだな、今日は張り切るぞ。」

何の迷いもなくハイブランドの店に入る津田さん。

津田「Aちゃんは何を着ても可愛いけど、ここの服を着てるとこが見たいなぁと思ってさ。」

『どれも素敵ですねぇ...。』

すると店員さんが声を掛けてくれて、色々と見繕ってくれる。

そして、服・靴・バッグをプレゼントしてもらった。

『こんな高級なもの、ありがとうございます。』

津田「俺も芸能人だからね、これくらいは。」

冗談っぽく言う津田さんは、ずっと歳上なのに可愛らしく思える。

その後、思い切って携帯も変えた。

これで本当に全てリセット...。

津田「やっぱり、不安？」

『え...？』

津田「色んなモノを捨てて、今のAちゃんを知ってるのは俺だけってさ。」

『ちょっとだけ。でも、津田さんとなら大丈夫です。』

私はそっと津田さんの腕を掴んだ。

津田「今日からAちゃんの家はここだよ。」

ブランドショップから少し歩くと津田さんのマンションに着いた。

こんな都会に住んでるなんて、さすが芸能人...。

『凄いマンションですね。』

津田「セキュリティで選ぶとこういうところになるんだよな。家賃も高くて大変だよ、まったく。」

そんな冗談を聞きながら部屋へと向かう。

.

『私、今すごくドキドキしてます...。』

津田「俺がイケオジすぎて？」

『全くその通りです。』

津田「ちょっと冗談で言ったんだからツッコミ入れてよ。」

『だって、何だかいい香りがするし大人の余裕があって安心感も半端じゃないんですもん！』

津田「嬉しいこと言ってくれるね、ありがとう。」

『それにしても、お洒落なお部屋ですねぇ...。』

部屋にはビンテージ家具が並んでいて、大きなテレビとオーディオが目立つ。