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英二「ぼ、僕よりアッシュが作る方が良かったかな…?」
さっきの私の反応に、不安な顔をする英二。
『ううん…嬉しい。ゴホッ…お願い』
英二「うん!任せてよ!じゃあ、ちょっとキッチン借りるね。すぐできるから少し待ってて」
『うん』
アッシュ「俺も手伝う」
張り切って出て行った英二に続いて、アッシュも出て行く。
途端に静かになった部屋は、二人が来る前より寒くなった気がする。
実際はそんなことはないはずだけど、そう感じるのは、風邪で弱っているせいかもしれない。
風邪のせいで体だけじゃなく心も弱るなんて、ちょっと情けなく思う。
『はぁ…』
布団に潜り込むと睡魔が襲ってきた。
今英二たちがご飯を作ってくれているのにそれではいけない、と慌ててまた布団から少し出る。
時々出る欠伸を噛み殺しつつボーッと待っていると、ノック音が聞こえてきた。
英二「かの、入るよ」
ガチャ
『…ん、良い匂いがする』
英二「お粥だよ。食べられそう?」
『ゴホッうん、大丈夫。でもお粥って?』
英二がトレイに乗ったお皿の中を見せてくれる。
お皿の中は真っ白だった。
よく見ると、全てお米だ。
『…ご飯?』
英二「ただのご飯じゃないよ。ご飯を煮て、柔らかくしたんだ。でも、それだけじゃ味気ないかなと思って、少しだけ塩を入れたよ」
まぁ、本当は醤油を入れようと思ったんだけどね、と苦笑いする英二。
家には醤油は置いていない。
だから、代わりに塩にしたんだろう。
アッシュ「味見したけど、結構美味かったぜ」
『そうなんだ…ゴホッ。ありがとう英二。食べる』
英二「うん、どうぞ。熱いから気を付けてね」
英二から温かいお皿と、スプーンを受け取る。
スプーンで掬い、フーフーしてから食べてみると、とても美味しかった。
『美味しい』
英二「良かった。まだあるから、良かったら食べてね。あ、でも残ったらまた温め直せば食べられるから、無理して食べなくて大丈夫だよ」
『うん』
はふはふしながら、ゆっくり食べる。
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雪月花のとびうお(プロフ) - 、さん» 大変失礼致しました。外した気でいたのですが、どうやら外せていなかったようです。今後気を付けます。 (2020年2月1日 7時) (レス) id: b36649e14a (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外して下さい (2020年2月1日 7時) (レス) id: 4afe35e6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年2月1日 6時