辰哉君は私の全て (ページ9)

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いつから、とか

そんなのわかんない。

気づいた時にはもう、

辰哉君は、もはや私にとって、全てだったから。

何も変わらない。

Aって呼んでくれなくなろうとも。

いつだって私は辰哉君の後ろ姿を見つめるスタイル。

報われようとかそんなの思わない。

隣に立つ事すら、おこがましいくらい

私と辰哉君……ふっかは、住む世界が違うから。

辰「………ん？」

この、ん？が好き。

優しくて、かっこいい。大好き。

『なんでもない』

辰「はやく食って、再開すんべ」

この気持ちは決して外には出さない。

一生、自分の心の中だけに、閉じ込めておくつもり。

………では何故、翔太君と付き合っているのか。

それは、

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1年前、年に一度の同期会という名の飲み会での出来事だった。

翔「……目黒さん、だよね」

『う、うん！……えっと、』

本当に申し訳ないくらい、ふっか以外の男の人に興味を示さない私。

桐は社交的で誰とでも仲良くなれる性格だから、いろんな人との相手で忙しそう。

なので、もはやお決まりのように女子に囲まれているふっかを横目に、ひとりちびちびとお酒を飲んでいた時の事だった。

翔「俺、営業部の渡辺翔太って言うんだけどさ、
よかったらちょっと話さない？」

隣に座ったのは、何度か見かけた事あるなあ、てかんじの、肌がやたら綺麗な男の子。

渡辺翔太っていう固有名詞も、何度か耳にした事がある。有名なのかも。

『目黒Aです。商品企画部で、』

翔「知ってる。話したかったんだ、ずっと」

にっ、と笑う、爽やかという言葉がとても似合う人。

翔「よかったら友達になろう？」

『うんっ、よろしく、翔太君』

すると、真っ白で透き通った肌が、みるみるうちに赤くなる。

翔「…………リアル天使じゃん、やば」

『………？』

翔「いや、ごめん。なんでもない、
よろしく、Aちゃん」

片手で顔面を覆いながら、差し伸べられたもう片方の手を、控えめに握って、よろしくの握手。

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