照兄の彼女になりたい5

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照「ヘアオイルだけ持ってまたおいで」


『あの姿で共用廊下歩くの結構恥ずかしいんだからね？』


照「住めばいいじゃんもう」


『それはダメ』






まだ、心臓が持たないから。


しばらくお隣さんのままで。






一旦帰って荷物を置き、お風呂に入ってスキンケアやら歯磨きやらを済ませ、

髪をタオルで包んだままオイル片手にもう一度ひーくんの家へ。






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照「………髪、どうだった？」


『どうだったって？』




話題は、今まさに乾かしてもらっている私の髪について。



照「みんなの反応」


『あー、マネージャーには先言ってって怒られたけど、結果的にはみんな褒めてくれたよ』




さっくんは一応マネージャーの立場として一旦叱った後に、ベタ褒めしてくれた。

叱るポジションの人も嫌だよね。




専属の雑誌の編集長もかなり喜んでくれていた。なんと特集まで組んでくれるみたいで。

結果オーライだけど、私情を挟んでしまった事はきちんと反省しなくては。






照「はい、出来上がり」



『ありがとう、ひーくん』




ドライヤーのコードをくるくると巻きつけて、テーブルに置くひーくん。


よいしょ、と私を持ち上げて、ソファーの自分の座っている横へ移動させる。







照「………大事なお話があります」




『奇遇ですね、私もです』






照「は？何？」



『え、先いいよ』






険しい顔のひーくん。

安心して、いい話だから。





照「そっちからお願い」



『………かしこまった』







すー、っと一息深呼吸した後、

意を決して口を開く。







『…………彼氏と、お別れしてきました』




照「は！？」




『………行動早くてひいちゃうと思うんだけど、あんまり待たせてもひーくんに悪いと思って』





かなり驚いている様子。

簡単に彼氏の事捨てるんだ、と思われないかな？



急に不安になる。






『それで………その………、

理由、も兼ねてなんだけど』






ダメだ。怖気付いちゃ。




康二の背中押しを無駄にしてはいけない。







勇気を出せ、岩本A。





まっすぐひーくんの目を見つめる。


大丈夫、落ち着いて、はっきりと。






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