照兄の彼女になりたい4

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照「ところでさ。



………なんで芸能人になろうと思ったの？」



ホットチョコレートを両手で飲むひーくん。
夏なのに暑くないのかな。



なんで芸能人になろうと思った、か。

……そういえば、なんでだっけ？





『ん〜………、

きっかけは、ずっと通ってた美容室で、たまたま担当の美容師さんが、おなじく担当してるモデルの子と一緒に写真撮ってくれたんだよね。

それを見たそのモデルの子のマネージャーさんから、スカウトされたの』




照「…………へぇ」



自分で聞いたくせに、すごく興味なさそう。





『最初モデルになりませんか、って言われた時、私にやれるのかなって思ったの。

でも、その時そのマネージャーさんに、

"やれるやれないではないです。
やりますか？やりませんか？"

って言われたんだよね』




照「…………ありがちな事言ってんなー」





はい、イライラしない。平常心平常心。





『その時考えた事が、
美容室での撮影、凄く楽しかったなってのはもちろんなんだけど、』




あの撮影の時、めちゃくちゃ緊張してる私にラウがアドバイスくれて、
みんなに褒めてもらえて、すごく楽しかったのもあるんだけど、







『憧れてて……、

私も近づけるかなって、思って』





ずっとあんな風になりたいなぁ、って思ってたから。


なんでも出来ちゃって、私のヒーローだった。









照「…………



誰に？」









誰に？





そういえば、









誰だっけ？









………ズキンッ、







『ぃっ、……』


照「！？
どうした？大丈夫か？」



激しい頭痛に顔を顰めると、席を立ち、こちらにかけよって頭を撫でにくるひーくん。



『ちょ、大丈夫だよ。
少し頭が痛くなっただけだから…』


照「そっか。
無理するなよ？
ごめん、嫌な事聞いちゃったかも」





『いや、大丈夫、ありがとう。
頭痛持ちなんだよね私。

多分当時好きだった芸能人に憧れたのかも。
昔の話だから、あんま覚えてないや』




座って座って、と、席に戻るように促す。

しぶしぶ自分の席に戻るひーくん。




優しいんだか優しくないんだかって感じ。








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