照兄の彼女になりたい4

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You side





『へー、中の作りも一緒なんだね』


照「………お、家具もまあまあいい感じじゃん」




フローリングや壁の色、全部一緒なのに、物がないだけでこんなにも広く感じる。

不思議な感覚。



先に届いていたという、ソファがぽつんとあるだけ。


ベッドは寝室か。





照「テレビも買いに行かなきゃな」




『いつから仕事開始なの？』


照「とりあえず1週間は休み。
市役所行ったりいろいろしなきゃだから」


『そっか。海外からのお引越しだもんね。
手続き大変そう』





とりあえずスーツケースからぽいぽいと服やら何やらを取り出しては片付けていくひーくん。





照「………あ〜、物がないってストレス」


『じゃあ、日用品の買い物は早めに済ませちゃえばいい』



照「明日の予定は？」






…………ひーくん、それがさ。



『お休み』


予定、何もないんですよね。







照「じゃ、明日もお借りしますね、Aさん」



1日中、と付け足して、へらりと笑う。






なんなんだろ。


会って間もないはずなのに、

昔から一緒に居るような心地よさ。





会う前までは気まずいと思ってたのに、
会ってしまえば全然そんな事なくて。




ひーくんが片付けをしている今も、普通にソファに勝手に座ってくつろいでいた。






向こうも向こうで、私にいい意味でも悪い意味でも全然気を使わないというか。








照「あー、もう疲れた。
スーツケース1個分は片付けたから飯でも食うか」



『どこか食べに行く？』



照「免許更新しなきゃ車も乗れないし、かと言ってお前連れて電車乗る訳にもいかねーしなぁ」



………すみません、気を使わせてしまって。


結構不便そうだな、しばらく。






『………私の部屋、来る？』






頭を抱えるひーくんに、咄嗟に出た一言。

ゆっくりと振り返る彼。






照「………上がっていいの？」







…………あ、自分で言い出した事だけど、

これも良くない事なのかな。





これしたら康二悲しむかな、とか


これしたら康二嫌な気持ちになるかな、とか





………私、康二に遠慮してる？







迷ってるのが、伝わってしまったのだろうか。




照「Aちゃん、お腹すいた。
ずっと一人暮らしだったから、誰かの手料理が食べたいんだけど」






これしたらひーくん喜ぶかな、って


これしたらひーくん嬉しい気持ちになるかな、って




ひーくんに対して思う事は、いつもポジティブなのに。






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