照兄の彼女になりたい3

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"その子がもし同じ気持ちだったとしても、悲しい思いをさせてしまうのは回避不可。
それを上回るほどの幸せを与えてやれるか"





"今の俺じゃ、この先零が悲しい思いをしてしまっても、それをカバーできるほどの幸せを与えてあげられるかどうかって、
正直自信ない"





"どうすればいいか、いろいろ考えてみるから。
それが整うまで零は絶対返事しちゃだめ。
俺の片想い、ってだけならセーフだろ？
こうやって毎日顔合わせられるんだし、何も言わないで"





"いつか聞かせてね。
照兄が言うことは絶対だぞ"





"Aを、


泣かせたくないから"







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『………


照兄のっ、

うそつきっ！！！！！！』







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涙で顔がぐちゃぐちゃになる。




擦った目と、叩いた頬に、

涙が滲みて、痛い。






泣かせたくないって、言ってたじゃん。



私、こんなに泣いてるよ？





毎日顔合わせられる前提だったから



私は返事をしなくていいって









なのに。





なのになのに。







『…………謝るからっ、

いままでっ、照兄に、甘えてばっかりで、


心配、いっぱい、かけて…っ、



ごめんなさい、

ごめんなさいっ！ごめんなさいっ！ごめんなさいっ！


照兄、ごめんなさいっ！

はやく、はやく嘘だよって、出てきて！


謝るからぁっ！！！！』





康「Aっ！！！」




ガバッ





震える身体を優しく、強く抱きしめられる。




いつもの大好きな温もりとは違う、男の人の身体。







康「………Aっ！
あかん、もう、やめてくれ……

これ以上壊れんといて、


忘れろ………っ、


何もかも、忘れてしまえっ！！！」






『こ………ぉじ、……』








途中で、怖くなっちゃった？






禁断の恋するの、怖くなっちゃった？









『………てる、にぃは、

わた、し、と、

さよならしたい、の…？』








何もない部屋が、私に




"さようなら"




って、言っているみたいだ。









康「………………


俺がおるやん。

俺ならAの事
こんなんなるまで泣かせへん。



一生守ったる。


A、







大好きやで」









こうも簡単に、終わってしまうものだったのか。




たった1ヶ月と半月だけだったのに。




己の幸せの為に、現実を受け入れなかった罪は、あまりにも大きかった。







もう、

どうでもいい。





何も考えられない。






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