照兄の彼女になりたい3

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それにしても、本当にお洒落な街並みだ。


街のど真ん中なのに、
道ゆく人はそんなに着飾る様子もなくシンプルな服装なのが、逆にお洒落。



日傘をさしている私が、若干浮いちゃってるみたい。



でも、ここは日本じゃないし、
何も周りを気にする事なくくつろげる。




『暑いのに、気持ちいいなぁ〜』



オーストラリアの真夏だから、死ぬほど暑いんだろうなと身構えて来た割には、

ジメジメしてないから汗だくになる事もないし、
風も吹いていてとても気持ちいい。





立ち止まり、

ううーん、と背伸びをすると、









ふっ、と強い風がふいた。







『あ、』







被っていたお気に入りのストローハットが空を舞う。





やばい、と思って咄嗟に振り向こうとすると、







パシッ、




　「よっ、と………

　はい、どうぞ。

　よかった。飛んでいかなくて。

　日本人の方ですよね」








後ろを歩いていた日本人の男性が、取ってくれたみたい。




　「今日風強いですもんね。

　無事に取れてよかったです」






でも、なんだろう。



なんだか、すごく懐かしいような声。








　「…………どうか、しましたか？」





あ、いけない！



取ってもらって、差し出してくれてるのに、



お礼言えてないどころか、受け取りもしてないではないか。



しかもサングラスして日傘もさしたままで、ホント失礼！







『ごめんなさいっ、

助かりました、ありがとうございま………、』






日傘を閉じ、サングラスを外して男性を見上げると、







呆然と立ち尽くしたまま、




こちらをまっすぐ見つめ、









涙を流す、彼。








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　「…………………、









　A」









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『え……………？』









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