照兄の彼女になりたい2

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Hikaru side





辰「カンパ〜〜イ！」


照「はいはい、乾杯」



お互いの持っているビールの入ったジョッキをカツンと鳴らす。





辰「ほんで？
お前の様子がなんとなく晴れやかなのはどうしてなのかなー？

俺昨日一晩中寝ずに
慰めの言葉や背中押しの言葉考えてたってのによ〜！」




平気で嘘をつくな。

まあ心配かけてしまったのは、事実だろうから、そこは素直に謝る。




照「ごめんなふっか。
今更隠す事もねーし、ふっかだから全部経緯話すけど、」



俺がその時の感情で思わずAに告白してしまった経緯や、
その次の日に起こった蓮のカマかけによる大嫉妬事件。


………まあ、その後のAの可愛い行動については誰にも教えたくないから言わないけど。

結局Aと今後どのようにしていくか、などについて
ざっくりと説明をする。





辰「なぁるほどね。
じゃ、向こうもやっぱり照に対してそういう気持ちがあったんだ？」


照「………まあ、さすがに俺もそんな鈍感じゃないし、薄々そうなんじゃないかとは思ってたけど、ほぼ確定だよな」






可愛かったなぁ、A。

ただひたすらに可愛かったし、愛おしかった。


俺に抱きついて来た時なんか、このまま一生離したくねぇなー、なんて真剣に思っちゃったし。







辰「よかったじゃん！
晴れて両思い！くそ〜、純愛ラブストーリーがこんな近くに生まれてるってのに、
俺はまだまだ独り身生活が続きそうだよ〜」







照「……………止めないの？」






ただ、俺らの関係は





辰「だって、それ辞めるタイミング決めるのは照でしょ？
俺は照が夢を見てる間は全力で惚気話聞いてやるよ！」







必ず"終わり"が約束されている。








照「……………そうだよな。

夢の中にいるだけだもんな、今の俺らは」




辰「ま、そんな焦らなくてもいいんじゃねー？

でも、さすがにAちゃんが婚期逃すまでには腹括れよ？
自分のせいで花嫁姿披露させてあげられねーの、ダサいし一生悔やまれるぞ〜」




明るく振る舞っているように見えるが、俺にきちんと釘を刺すふっか。



そうだ。俺はただただ甘い夢を見てるだけの、



大事な物を優先できない、


何も捨てる事ができない、




臆病者。







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