照兄の彼女になりたい2

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照「………ん、A」



私の名前を呼び、最後にちゅ、とひとつキスを落とした後、ゆっくり離れていく照兄。







照「…………こっちが心臓もたなくなるから、可愛い事言うの禁止」






照兄の表情をやっと見れたかと思った瞬間、ぎょっとする。


………びっくりするほど、赤い。






『…………照兄』




なんだか最近は、今まで見たことないような照兄の表情を沢山知れて、嬉しいな。




今日はなんだか照兄にいっぱい甘えたい。


そんな願いを込めて、ぎゅーっと抱きつく。




照「こーら、……
無理矢理剥がせないのわかってるくせに」


『……いいじゃん、照兄あったかい』



照「も、ほんとさぁ………
やめてAちゃん、照兄いじめないで」



『照兄もぎゅーして？』



観念したかのように、ゆっくり回される照兄の腕。




照「…………あのさ、A。
わかってると思うけど、」

『わかってるよ』




わかってるよ。安心して、照兄。




『私たちは、ただの"兄妹"。
ちょっと仲がいいだけ』



付き合う、だとか。

彼氏彼女、だとか。



そんな名前のついた関係は、私達にはなくても大丈夫だと思う。






『私、まだ返事してないでしょ？

だから全く問題ないと思うのです』



照「………なんかAってさ、
時々とんでもない事言い出すよね」






私を抱きしめる腕に力が入ったと思うと、
耳元で聞こえる

"ありがとう"




このありがとうには、いろんな意味が込められてるんだと思う。





照兄の背中越しに、

思わず笑みが溢れた。








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