照兄の彼女になりたい

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シンプルなベッドの上には、綺麗な顔をして気持ちよさそうに寝ている照兄の姿。



しばらく照兄の寝顔をそっと見つめる。









…………昨日のあれは一体何だったんだろう。








後ろを向いてたから、照兄の顔は見てないけど、
どんな顔してたんだろう。






　"なんで兄妹って結婚出来ないんだろーね"







………シスコンもここまで拗らせると、本当にタチが悪いよ。



まるで、照兄も、

私に、妹としてだけじゃない感情を持ってるんじゃないか、なんて



ありもしないような期待しちゃうから。









『…………照兄はなんで私のお兄ちゃんなの？』







寝ている照兄にそう問いかけてみる。


もちろん、返事なんて返ってこなくて。







『照兄の妹になんか、なりたくなかった』



近いようで、全然遠い。





兄妹なんかじゃなくて、普通に男の人と女の人として出会っていれば、



"大好きだよ"って、伝えれるのに。






だんだん、視界に映る照兄の寝顔がぼやけてきたなと思った刹那、
頬を何かが伝う感触があり、




ああ、朝から目が腫れちゃうな、こんな顔照兄に見られたくないな、と思った私は






そのまま照兄を起こす事なく、
そっと部屋を後にした。









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