照兄の彼女になりたい

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………………………、









目隠しされていた手が退かされても、

しばらくぼーっと一点を見つめ続ける私。









照「……………帰ろっか」







そんな照兄の言葉は、

すぐ近くに居るはずなのに
やけに遠くから聞こえてくるかのよう。








そのままシートベルトをつけ、車のエンジンをかける照兄。





照「A、シートベルト」



『あ、ああ………』



慌ててシートベルトをつけた私を確認して、車を走らせる。









家に着くまで、お互い一言も喋ることはなく









帰り着いて、とりあえず自分の部屋に戻ろうとした私の肩を


ぐいっと引いた照兄は、









照「さっきの本当の答えは、







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"いやだ、Aは絶対渡さない"」









なんて吐き捨てて、隣にある自室へと戻って行った。









私も自分の部屋に入り、ベッドにゆっくりと腰掛ける。









一人になって、初めて実感する。






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ああ、私






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さっき照兄に、キスされたんだ。









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