17話 ［おはようからの驚き］ ページ17
「ん〜……？」
「おはようございます、Aさん♪」
なにか温かいと思ったら、ブラックか。そりゃブラックがいたら温か……は？
「な、なんでブラックが！？」
「すみません、オレちゃん寝相が悪いようなので」
「分かりやすい嘘！だって、部屋違うよね！？」
バレてしまいましたか、と淡く笑う彼に絶対わざとだろと内心思う。朝から大声を出して疲れる。
というかブラックはもうパジャマじゃなくていつもの黒い服を着ているしもう起きていたのか。
「カカカッ、そういえば約束しましたよね？」
「ああ、うん。朝ご飯は私が作るっていう──」
「オレちゃん、楽しみで眠れませんでした！」
「そんな修学旅行前日の小学生みたいなことしないで！」
あー、本当に疲れる。にしても、一日でこんなにも慣れるものなのか。ベッドからのそのそと出て、まだしゃっきりとしない眼を擦りながら昨日キッチンだと案内された場所へと歩いていく。
「カメラちゃん〜……私の癒しはカメラちゃんだけだよ〜……」
「オレちゃんは違うんです？」
「ブラックはそういう枠じゃないでしょ……」
「カカカッ！それもそうですね♪」
「あ、そういえば」
カメラちゃんを撫でながらくるりと振り返る。疑問であることがひとつ。
「お父さん達ってどうなってるの？」
「じっ！？」
カメラちゃんが過剰に反応してブラックの顔色を窺う。その表情はどこか苛立っているような気がしなくもない。まあ、確かに傍から見ても嫌な人達だったから気持ちは少しわかる。
「…………知りたいですか？」
「んー……まあ」
「生きていますよ」
そう淡々と告げて彼はすぐに話題を切り替えた。何を作るんですか、どんな動物が好きですか、等々。それらを適当に流しながらブラックの言葉の意味について考えていた。
生きている。それはつまり元気かもしれないし、ボロボロかもしれないということだ。
「Aさん、コレは？」
「ああ、それは漬けておいたフレンチトーストの素、ってとこかな。フレンチトースト、本当に美味しいから食べてみてほしいと思って。ブラックは甘いもの好きだよね？」
「ええ、好きです。ですがソレはまだ食べたことがないですね。少し、気になってはいましたが」
どうにかしてもう少し情報を聞き出したい。なにか、なにかがおかしい気がする。このままお父さん達を急に豹変してオワリ、と片付けちゃいけない気がする。
目の前の悪魔は、一体何を知っているのか。
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蘆花(プロフ) - いやはや悪魔との恋愛はまさに死ぬ気で行うべきですね。悪魔的な物語で最高です！ (8月6日 23時) (
レス) @page36 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
おむすび - (付け足しです)最終的に夢主に対してキュートアグレッション感じ始めてたとゆう結論に辿り着いたのが以下にも悪魔的で美しい。 (2023年3月31日 18時) (レス) id: ef589f12bf (このIDを非表示/違反報告)
おむすび - たった一人の人間に興味を抱いて、愛を知ろうと奮闘する人外はどの作品でも魅力的だからまさか「ブラック」でやってくれるとは！ (2023年3月26日 21時) (レス) id: ef589f12bf (このIDを非表示/違反報告)
メロン - とても面白かった。どうか更新ヨロシクお願いします (2022年11月21日 17時) (レス) @page36 id: ed16b3ac39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コマク | 作成日時：2022年7月4日 22時
