14話 ［ブラックチャンネル］ ページ14
「ですが。そのクセ悪魔の力には気付かない。愚鈍ですねぇ」
「はあ？何を言ってるんだ、お前は……ってうわぁああ！？」
男の指先が黒く染まり塵と化す。首を絞められていた少女の姿は消え、代わりに男は灰へと姿を変えていく。
「両親ともども鬼ヤバな家族は、魔界に送るのが手っ取り早いですね」
「ちょっとブラック！！Aお姉ちゃんは！？」
「無事ですよ。首を絞められていたのはフェイク、偽物ですから」
悪魔の出したブラックホールから出てきたのは確かにあの少女。しかし少しばかり首は赤くなっており、その筋を悪魔は優しく撫でた。
「先に処分しておいた方が良かったですね。私に天使の羽があれば良かったのですが……」
「じ〜」
「へ……？」
しかし、その少女は状況が把握できていないようで腑抜けた声を上げた。ホッと一息ついているさとしに聞こうとするも、その前に悪魔が口を開いた。
「Aさんの身代わりを作っておいたのです。そして、Aさんが首を閉められた瞬間に仕掛けが発動してAさんを魔界へと送り込んだのです」
「じっじじ〜！」
「��魔界は魔界でも安全な場所にね！��だそうです。まあ実際そうです。どうでした、オレちゃんの家は」
「い、いや、いきなり場所が変わった挙句状況が分かんなくて困ってたけど……でも、そっか、また助けられちゃったんだね」
「そういう契約ですから」
悪魔は少女の頭を撫で、そう言った。しかしこの行動に含まれているのは契約だからという義務感だけでないことを悪魔は分かっている。お得意のスター性を見出した訳でもない。ただ、目の前の少女を。
「今回の動画も中々にバズりそうですね！ですが……カメラちゃん。このショッピングモールに入ってからの映像は消しておいてください」
「ええっ！？ブラック正気なの！？頭でも打った！？」
「じじーっ！？」
二人の驚きように少女は相変わらず置いてけぼりだった。いつもの悪魔を知らないからこそ、反応が出来ないのは少し困りものだった。
「オレちゃんのブラックチャンネルにあの男性が映ってる動画があるとか許せませんので♪」
「じっじ〜」
「さあ、最後の脅威も去ったことですし楽しいショッピングを始めましょう。Aさん、オレちゃんの手を取って。気を取り直して手芸店に向かいましょう」
「う、うん……」
少女は嫌な予感がするとは悪魔に言えず、口を噤んだ。と同時に、目の前の悪魔が美しく、恐ろしく見えた。
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蘆花(プロフ) - いやはや悪魔との恋愛はまさに死ぬ気で行うべきですね。悪魔的な物語で最高です！ (8月6日 23時) (
レス) @page36 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
おむすび - (付け足しです)最終的に夢主に対してキュートアグレッション感じ始めてたとゆう結論に辿り着いたのが以下にも悪魔的で美しい。 (2023年3月31日 18時) (レス) id: ef589f12bf (このIDを非表示/違反報告)
おむすび - たった一人の人間に興味を抱いて、愛を知ろうと奮闘する人外はどの作品でも魅力的だからまさか「ブラック」でやってくれるとは！ (2023年3月26日 21時) (レス) id: ef589f12bf (このIDを非表示/違反報告)
メロン - とても面白かった。どうか更新ヨロシクお願いします (2022年11月21日 17時) (レス) @page36 id: ed16b3ac39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コマク | 作成日時：2022年7月4日 22時
