『I thought you're my own heaven』 ページ18
Side 佐久間
彼女は自己嫌悪の果てしない沼から俺の手を取って、そのどろどろの泥から俺を取り出した。あの時のぬくもりと香りを今でも覚えている。手先から感じられる。
絶対的な存在に近かった。鬼道とAは、俺とは実際の星と一個の人間の距離ほど遠く届かないどこかにいた。二人が帝国夫婦と呼ばれる時も自分の位置を常に知っていたため、積極的に離すことができなかった。
欲が出てきたのはいつからか、たぶんAが鬼道に抱かれて泣いたのを見た時、倒れた俺に駆けつけた時、帝国中を去った時、もしかしたら俺にそのハンカチを渡した時からかも知れない。
ただ深い所に押し込んでいたのだろう
彼女も俺も誰も知らないように
俺の人生が終わるとすれば、それはきっと愛のせいだ。このべたべた赤黒い愛のせいだ
愛はお前で
お前はまさに愛だった
俺を不様にする愛が嫌いだった
Aを嫌うことはできなかった
それが俺の運命だった
それで俺はこの憎悪の対象を見つけた。思ったよりその対象は近くにあった。一度憎んだことがある相手なので、もう一度憎むのはそんなに難しくなかった。
俺はお前を愛する自分が嫌いだった。
届かない存在を愛する俺が嫌いだった。
身の程を知れ, 彼女は俺と似合わない。
総帥が認める彼女、鬼道に愛される彼女。
俺だけのものになってくれたら俺は俺を嫌がらなくても良いだろうか?お前のそばに行ける強さがあるなら、この息苦しくてこみ上げる感情なんて分からなくても良かっただろうか。
皇帝ペンギン1号、彼女が影山と初めて作ったという技。体に深刻な負担がかかるので、彼女はそれを教えなかった。Aはそのような技術を発明したことを後悔しているようだった。今となっては感謝するばかりだ。
その技術は俺をその上に押し上げてくれる縄だ。
彼女のそばに立つことができる、彼女が俺をこれ以上捨てなくなる「手段」
それが罪悪感のせいでも、憐憫のせいでも彼女を俺に取り戻せる手段。
Aが俺を見上げる瞬間喜悦を感じてしまった。雲の上にいた彼女が、俺に近づくようで手を伸ばせば持てるような気がして、もう鬼道のそばにいかないような気がして、思わず口角が上がった。反動で足がずきずきし、全身の筋肉が悲鳴を上げたが、関係なかった。
俺は彼女のそばに上がるのではなく彼女を俺のそばに降ろそう。降りて来たらその羽をちぎってしまおう。
『but, maybe I was hell to you』→←『Ｍｏｏｎｌｉｔ ｎｉｇｈｔ』 145
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π丸(プロフ) - いつも楽しく最初から見てます、、、！これからも応援してます！絵も文才も素晴らしくて、、、！惚れました(((((頑張ってください！！！投稿楽しみにしてます！ (2021年5月20日 4時) (
レス) id: fe1deb6ad5 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ牛乳(プロフ) - 琴葵さん» コメントありがとうございます！大好きって言ってくださると、元気が溢れます！テストも終わり余裕が出来ました！これから頑張って更新します！これからも私の話を楽しめるように頑張ります！！ (2020年12月14日 0時) (レス) id: ae8dbd98b4 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 何故もっと早く出会えなかったのか…作者さんの書くこの作品イッキ見してしまいました。惚れ込みました大好きです！！！自分のご予定など色々あるかとは思いますが、ご自愛下さいませ。更新楽しみにしております！！ (2020年12月5日 0時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ牛乳(プロフ) - イナイレ好きさん» ご意見ありがとうございます、佐久間くんも良いですね！まだ落ちが誰かは言えませんが、楽しんでください！ (2020年11月22日 22時) (レス) id: ae8dbd98b4 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ牛乳(プロフ) - イナイレ好きさん» コメントありがとうございます！！イラストも時々入れてみるのどうかな、と思ってやってみましたけど、良かったです！！これからも頑張ります！ (2020年11月22日 22時) (レス) id: ae8dbd98b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バナナ牛乳 | 作成日時：2020年11月10日 0時
