『Ｍｏｏｎｌｉｔ ｎｉｇｈｔ』 141 ページ13
円堂が一瞬かっとなって反論するが鬼道によって阻まれた。鬼道とAが二人に頭を下げながら言った。不動はその姿を見て笑い出した。
一度睨んでやりたいAだったが、今は彼のことを気にしている時ではない。
ひざまずいたら自分を許してくれるか、何をしたら私を許してくれるか。という思いで頭がいっぱいだった。
鬼道は彼に向かって謝りを繰り返し、影山に従うのをやめろと叫んだ。それを聞いた佐久間が、もう遅いと叫ぶと、隣の鬼道が倒れた。
「鬼道くん！！」「大丈夫か？！」
彼らに頭を下げていたAが、急いで倒れた鬼道に背を向けた。鬼道は円堂の手を握ってよろめきながら立ち上がった。
不動がパスしたボールを佐久間がもう一度蹴ろうとすると、Aは彼の前に立ちはだかった。
「何するの、」
「はは！離れた方がいいぜ？ お前、そのボールを受ける器じゃねぇだろ」
不動は彼女を笑って言った。Aはそっちは見向きもしないまま佐久間と源田を眺めていた。
「……どけ」
「……どかない。暴力は何の役に立たないって知ってるでしょ！！」
恐らく佐久間が聞く初めてのAの大声だった。佐久間が眉間にしわを寄せた。目に付く不快さだった。佐久間は自分の右足を上げた。今にもAに向かってボールを蹴そうだった。
一種の警告なのだ。
Aは目を閉じてもその場を離れなかった。
不動はまた、そんな彼女を見てうわあー、という音だけがする吐き気とともに、気分が悪いという表情を浮かべた。
佐久間はボールに向かって足を振った。ボールに足が着く直前に止まり、下唇をかみしめた。若干の血がこもっている。彼は彼女にボールを蹴らなかった。蹴れないんだ。
「佐久間君、サッカー…楽しい？」
「楽しいサッカーはない。 勝利のためのサッカーがあるだけだ」
「今の佐久間君は自分のことが好きになったの？」
「……お前には関係ないだろう。俺が俺を好きでも嫌いでも。俺は勝利を追い求めるだけだ。そのためなら、自己嫌悪くらいちょろい。」
「うそつき。」
「楽しいサッカーが何なのか分かるような気がするって。君たちの…帝国のサッカーをやるんだって、自分のことが好きになるって、言ったでしょ。」
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π丸(プロフ) - いつも楽しく最初から見てます、、、！これからも応援してます！絵も文才も素晴らしくて、、、！惚れました(((((頑張ってください！！！投稿楽しみにしてます！ (2021年5月20日 4時) (
レス) id: fe1deb6ad5 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ牛乳(プロフ) - 琴葵さん» コメントありがとうございます！大好きって言ってくださると、元気が溢れます！テストも終わり余裕が出来ました！これから頑張って更新します！これからも私の話を楽しめるように頑張ります！！ (2020年12月14日 0時) (レス) id: ae8dbd98b4 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 何故もっと早く出会えなかったのか…作者さんの書くこの作品イッキ見してしまいました。惚れ込みました大好きです！！！自分のご予定など色々あるかとは思いますが、ご自愛下さいませ。更新楽しみにしております！！ (2020年12月5日 0時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ牛乳(プロフ) - イナイレ好きさん» ご意見ありがとうございます、佐久間くんも良いですね！まだ落ちが誰かは言えませんが、楽しんでください！ (2020年11月22日 22時) (レス) id: ae8dbd98b4 (このIDを非表示/違反報告)
バナナ牛乳(プロフ) - イナイレ好きさん» コメントありがとうございます！！イラストも時々入れてみるのどうかな、と思ってやってみましたけど、良かったです！！これからも頑張ります！ (2020年11月22日 22時) (レス) id: ae8dbd98b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バナナ牛乳 | 作成日時：2020年11月10日 0時
