『Ｍｏｏｎｌｉｔ ｎｉｇｈｔ』 26 ページ46
"気をつけろ!バスに細工してきた奴らだ!落とし穴があるかもしれない!壁が迫ってくるかもしれない!"
"監督が選手をからかうなんて……"
"監督なりの緊張をほぐす方法なんだと思う…"
壁や床を叩きながら確認をする選手たちの姿に、夏美と秋は苦笑した。
浮かべない顔をした春奈を眺めていたAは近付き、春奈の頭を撫でた。
"先輩、…?"
春奈はAをじっと見つめながら言った。
Aはそんな春奈を見て小さく微笑んで見せて手を握った。
安心しろというような手つきに、春奈はAの手を握った。
"ここが、俺たちのロッカールームか。開けるぞ"
円堂がドアを開けるために手を伸ばすと、出てきたのは鬼道だった。
戸惑う円堂を気にしていないらしく、鬼道は顔色一つ変わらなかった。
"無事に着いたみたいだな"
"なんだと!?まるで事故でも遭ったほうがいいような言いかたじゃねぇか!まさかこの部屋に何か仕掛けたんじゃ..!"
"安心しろ。何もない"
悠々と歩きながら横を通り過ぎる鬼道を、Aは目で追った。
鬼道もAにちらりと視線を向けた。春奈が握った手に力がこもるのを感じた。
"春奈ちゃん"
"先輩……?"
"…行って来て。大丈夫、 相変らず優しくて素敵なお兄さんだよ。"
Aは薄笑いしながら、春奈の手を放した。 秋が春奈の後を追おうとしたが、Aが秋の手を握った。
"秋"
"えっ……"
"……大丈夫だから"
二人だけに時間を作ってあげよう
『Ｍｏｏｎｌｉｔ ｎｉｇｈｔ』 27→←『Ｍｏｏｎｌｉｔ ｎｉｇｈｔ』 25
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：バナナ牛乳 | 作成日時：2020年4月2日 1時
