もう一つの輝き『イナイレ』 (ページ29)

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『Ｍｏｏｎｌｉｔｎｉｇｈｔ』 9 ページ29

"ねえ、Aさんは部活どこ入るの?"

"テニス部はどう? Aさん似合いそう!"

"は?似合うなら俺たち水泳部だろう!"

"陸上はどう?"

"ごめん。私、もう決めた所があって"

"えーもう?"

"う……もし考えが変わったらすぐ言ってくれ!"

"うん、ありがとう"

昨日、病院に騒乱があった後、翌日転校してきた初日から、Aの周辺はにぎやかだった。

3年生にもなって転校は珍しく、Aの容姿はクラスメートたちの注目を集めるに十分だった。

手足が長く伸びた体に、誰もが一度は振り返るに値する外見だったから。

もちろん自分に自覚はない。

病院での生活が長く、帝国の中では鬼道と佐久間のガードのせいで、他人と顔を合わせる機会がなかったのだ。

3年生だけに部活動部長がクラスメートに多かった。

Aは多くの部活動から招待されたが、考えておいた所があると言って断わってばかりだ。

授業が終わり、カバンを持って教室を抜け出すAの後ろ姿を見ながら、Aを狙っていた部長たちは涙をのんだ。