もう一つの輝き『イナイレ』 (ページ22)

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『Ｍｏｏｎｌｉｔｎｉｇｈｔ』 2 ページ22

がたっという音とともにバスが止まった外に見えるあの建物が多分雷門中学校だろう。

レッドカーペットが敷かれ、キャプテンの鬼道を先頭に選手らが一人ずつ降り始めた。

雷門中サッカー部のキャプテンマークをつけた男の子が近づいてきて、鬼道に握手を求めた。

"雷門サッカー部のキャプテン円堂守です。練習試合よろしくお願いします。"

"初めてのグラウンドだから、ウォーミングアップをしたいんだが"

一番後ろでサッカー部についてきたAは、驚きを隠せなかった。

5年前の記憶に残っていたオレンジ色のバンダナの幼なじみだったからだった。

Aは帝国サッカー部を抜いて、徐々に出てきた。

".……守……?"

"A?? 急にどうしたん…"

佐久間がAを捕まえようと手を伸ばしたが、それより早くAは守に飛び込んだ。

"わあ……!本当に守だ...!!"

"うあっ!!あれっ!A!?"

"は?!"

いきなり抱きついたAに、雷門サッカー部も帝国サッカー部も驚いた様子だった。円堂が"A"と叫ぶと、雷門サッカー部で風丸が反応した。

"守!! 格好よくなったね!! 背も伸びたし…。やっぱり守!サッカーを諦めてない。信じてたよ!!"

"本当にAなんだな!? わあ!久しぶり!"

"おい、円堂!!本当にAか!"

"うん! 私だよ、A A! 二人とも本当久しぶりだね!"

円堂はAを抱き上げてくるくる回った。 Aという声に風丸が飛び出してきて、Aの顔を確認して明るく笑った。

自分たちだけの世界を作る幼なじみをそっとしておく佐久間と鬼道ではなかった。

円堂の次に風丸を抱きしめるAの腕を、鬼道が引っ張って佐久間がAをかばうように前に出た。

"うちのマネジャーと仲がいいみたいだけど、触らないでくれないか?"

"ああ、今Aは帝国中サッカー部だからな"

"佐久間?鬼道?"

二人によって引きずられるAだったが、彼女は幼なじみに再会しただけでも嬉しかった。さらに嬉しいのは円堂と風丸がサッカーをあきらめなかったということ。

それだけでもAはバスでの気持ちなんて忘れるくらいうれしかった。

しかしその気持ちは長くは続かなかった。